「仲ようしなはれや」希代の人情家、桂ざこばさん急死 師弟の絆、一門の絆を基本に ケンカ別れしていた立川談志さんに力説も
上方の落語家、桂ざこばさんが亡くなったというニュース。76歳だった。 「本当に急だったようで、先ほど米朝事務所に電話をしたんですが、混乱していました」と在阪演芸関係者は話し、「ぜんそくで入退院を繰り返しているということは聞いていたのですが…」と声を曇らせる。 【写真】急死の桂ざこばさんと娘の関口まい 1970年代、桂朝丸時代に出演したワイドショー「テレビ三面記事 ウィークエンダー」(日本テレビ系)で、名前と顔と切っ先の鋭い口調の魅力を全国に売った。 その人柄は「面倒見がよくて、白黒はっきりものを言って、涙もろくて男気があった」(元在阪一般紙記者)。 「15歳で弟子入りした師匠の三代目桂米朝を父親のように慕い、師弟の絆、一門の絆を自らの考え方の基本にしていましたね。兄弟子の桂枝雀と弟子が上方落語協会を抜ける際は、協会より兄弟子のほうが大事やといって自らも抜けてしまった。落語家の立川談修がX(旧ツイッター)に投稿していましたが、人間国宝の五代目柳家小さんとケンカ別れしていた立川談志に『仲ようしなはれや』と涙ながらに力説し、談志も思わず笑ってしまったことがあったそうです。希代の人情家ですね」(興行関係者) 来年3月には、弟子である桂ひろば(45)が「二代目桂力造」、桂ちょうば(45)が「四代目桂米之助」、桂そうば(45)が「二代目桂惣兵衛」を襲名する。 楽しみにしていた愛弟子の晴れ姿を、泉下で見守る。 (業界ウオッチャーX)