SNS動画1千万回再生 家具の「ロウヤ」なぜバズる 運営会社の吉田取締役に聞いたその理由
家具・インテリアの「LOWYA(ロウヤ)」が展開する家具の紹介動画、SNSでよく目にしませんか。折り畳めるダイニングセットとか、推し活中の人向けの収納家具とか。そのロウヤの実店舗が、イオンモール広島府中(広島県府中町)にオープンしました。バズりの秘密を、ロウヤを運営するベガコーポレーション(福岡市)の吉田裕紀取締役(40)や第一線の社員たちに聞きました。 【写真】運営会社の吉田取締役や広島県でオープンした店内
―折り畳めるダイニングセットを紹介する動画は1071万回再生をたたき出しました。
インスタを始めた当初はまだ写真投稿が中心でした。それを見た新卒1年目の社員が「これからはショート動画だ」と言うんです。TikTokでやらせてみたら再生回数が伸びたので、インスタでもショート動画を投稿し始めました。
―それぞれの動画を見ると、家に置いたときのイメージを持ちやすいです。
うちの商品は「実はここがたためる」とか「実は何通りにも形を変えられる」というギミック(仕掛け)を多く盛り込んでいます。 「実は…」というそのギミックって、すごくSNSで受ける。ただ写真だけでは、その魅力は伝わりにくいんですよね。「お部屋を広く使いたいとき」などの具体的なシーンを入れ込み、人が実際にどう座って寝転ぶかを動画で見せることで、家具の使い方をよりリアルに伝えることができました。
―社員の平均年齢は34歳。若手の意見を柔軟に取り入れていますね。
撮影も最初はスタジオを使っていましたが、SNSグループの若手から「スタジオだとリアル感が出ないから家を借りたい」と要望が出ました。「考えさせて」と言ってる間に、自分たちの自宅で動画を作り始めていた。申し訳なくて、結局、福岡に3LDKのマンションの一室を借りて撮影用に使っています。 外部発注していたマーケティングコストも大きく削減しました。浮いたお金で、SNSグループの人員を増やし、撮影部屋の家賃などに使っています。
―SNSを介して、特に20~30代の女性から人気の印象です。
インターネット販売を中心にしてきた会社です。さらに物流業界の人手不足や配送料金の値上げなど「宅配クライシス」で、荷造りを小さくする必要もありました。コンパクトな家具が欲しい若者が、SNSの動画を見て反応してくれたのかなと思います。 家具は海外で製造しているものもあるため、円安のダメージも相当受けました。それでも実店舗を出店し、SNSで認知を広げて逆風を最小限にとどめています。今後は広島出店を機に、ファミリー層にも浸透を図りたいです。
中国新聞社