【イベントレポート】「デデデデ」入野自由や内山昂輝が幾田りら&あのを絶賛「声優もがんばらないと」
アニメ映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の前章・後章一挙上映イベントが本日5月19日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催。後章でさらなる活躍を見せるキャラクターを演じた大葉圭太役の入野自由、小比類巻健一役の内山昂輝、田井沼マコト役の白石涼子、そしてアニメーションディレクターを務めた黒川智之が登壇した。なお一部、後章のネタバレとなるような記述もあるため注意してほしい。 【写真】イソベやんを触る入野自由と内山昂輝 浅野いにおの同名マンガを原作にした本作は、東京上空に巨大な宇宙船が突如襲来した世界を舞台とする青春ファンタジー。幾田りらが小山門出、あのが友人の“おんたん”こと中川凰蘭に声を当てた。 後章は今日が初披露となったが、完成したのはおよそ1週間前。黒川は「本当にぎりぎり。アニメーションスタジオのProduction +h.のみんながどこまで粘れるかというぎりぎりの闘いで、とにかくお客さんのためにいいものを作るという気概のもとでがんばってました」と明かす。そして後章の見どころを「前章はいろんな謎や設定をちりばめて、それを後章で回収していく。後章のほうがSF色が強い。作画のカロリーも高いですし、撮影処理のエフェクト、CG、母艦の3Dなど、原作の魅力をどうやってスペクタクルに落とし込むかという制作でした。そういう意味で後章のほうが見どころがたくさんある」と話した。 大葉は元アイドルの少年を装った侵略者であり、前章では謎めいた点も多いキャラクターだ。入野は、その役作りを「見た目は人間だけど、中身は侵略者。だから日本語をうまく扱うことができない。ちょっと片言。でも習得はうまいはず。どのくらいのレベルで話せるのか意識してました。後章のおんたんとのシーンでは、けっこう滑らかに、人間になりつつあるような状態で話してます。今日みたいに一気に観ていただくと気付く方も多いかもしれません」と説明。さらに「これまでは語れない部分も多かったんですけど、後章になって、ここまでしっかり、ヒーロー的な立ち位置じゃないですけど、物語を進めていくキャラクターとして動いた。完成品を観てグッときちゃいました」と打ち明けた。 小比類巻は、前章で交際していた栗原キホを宇宙船の墜落事故で亡くしたキャラクター。そのことをきっかけに侵略者排除思想に傾倒していく役どころで、内山はそのダークな一面や中二病のような性格を意識して演じたことを明かす。“誰からも愛されるかわいい存在になりたい”という願望から、金髪のウィッグをつけて女性の格好をするマコトに声を当てた白石は、おんたんとの関係性でウィッグを脱ぐシーンに言及。「自分のアイコンだったウィッグを取って泳ぎに行っちゃう。ちょっと男らしいところもあって。見た目は女の子だけど、声は男の子を意識して演じてました」と振り返る。 入野と白石は、あのと一緒だったというアフレコを回想。おんたんが大葉に告白するシーンが後章にはあり、白石はあのの様子を「テストのときはちょっと恥ずかしそうだった。みんなでアフレコしていて、みんなに見られているから。そこからディレクションを受けたあと本番の『好き』。あの吐息感というか。『あ……かわいい!』ってみんな言ってました」と打ち明け、入野も「あのシーンのアフレコの空気感はすごかった。スタジオ自体の体温が上がる感じがありました」と振り返る。黒川は、とあるシーンで入野があのに声優としてのアドバイスを送っていたことを思い返し、入野は「アフレコの現場って考え過ぎてしまうと、きゅうっと縮こまってしまう。あのちゃんは素のしゃべりがぴったりなわけだから『やっちゃえ! やっちゃえ! 何も考えなくていいよ!』みたいな感じの話をした覚えはあります」と伝えた。 幾田の芝居については、内山が「めちゃくちゃよかったですね。すごくきれいな声で。直前に録り終わった(幾田の)声を僕が出ているシーンで流したんですよ。まだほとんどエディットもされていない素の音でも『めっちゃきれい』と思って。表現力がすごい。いや、もっと自分たち声優もがんばらないといけないと思いました」と絶賛し、白石も「すごいナチュラルで素敵」とたたえる。幾田とあのへの演出に関して、黒川は「僕から言うことは何もなかったというのが正直なところ。お二人の中の門出と凰蘭を表現してくれれば、いいと思ってました。こちらから言い過ぎてしまうと、ぶれてしまう気もして。お二人が本番で正解を出すという気概は伝わってきたので、本当に大きなところが外れない限りOKのスタンスでした」と回想した。 最後に、黒川は自身のアニメーションの師匠であるという監督・真下耕一の「作品というのは視聴者のものである」という言葉を紹介。「僕は今そのことをしみじみと感じています。これで僕たちスタッフやキャストはゴールを迎える形になる。作品としては今日がスタート。そして本格的なスタートは5月24日の公開初日。1人でも多くの方に渡ることで作品は完成するものと思っています。後章のことを喜んでいただけたり、門出や凰蘭、大葉、小比類巻、マコトの姿をまた観たいと思っていただけるのであれば、二度三度と劇場に足を運んでいただけたら」と呼びかけ、イベントの幕を締めくくった。 「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」は全国で公開中。後章は5月24日に封切られる。 (c)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee