英語の評定で3人に1人が「5」を取っている学校も、「親の時代と別物」内申点の”インフレ”が生む誤解
また、公立中学校の評定は入試資料になるため、客観性を担保する仕組みがあります。都内の公立中学校では、年度始めに評価基準の詳細資料が配布され、評価基準を全てオープンにしています。また、自治体は特異な評定の分布になっていないのかのチェックをして、ウェブサイトで公開しています。 公立小学校の通知表と公立中学校の通知表は、客観性の担保という観点では「別物」と捉えたほうが良いでしょう。 ■公立中学校の「内申点」を決める仕組み
公立中学校の内申点(評定)は、表面上はシンプルな5段階評価のように思えますが、その背後には詳細な評価基準が存在します。 具体的には、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」という3つの観点が各科目に設定されています。これらの観点は達成度に基づき、東京都ではA・B・Cの3段階で評価されます(神奈川県のように5段階で評価する自治体もあります)。 ・80%以上の達成度 ………………A
・50%以上~80%未満の達成度…B ・50%未満の達成度 …………… C ほとんどの中学校では、3つの観点をそれぞれ100点満点で評価し、その合計得点(最大300点)に基づいて5段階の評定がつきます。 ・270点以上(90%以上)…5 ・240点以上(80%以上)…4 ・150点以上(50%以上)…3 ・60点以上 (20%以上)…2 ・60点未満 (20%未満)…1 評定のつき方には注意点があります。観点別評価は80%以上の達成度で「A」がつきます。しかし、評定の「5」は全体の達成度90%以上が目安です。つまり、観点別評価「AAA」は、評定が「4」になることも「5」になることもあるということです。
東田 高志(東京高校受験主義) :塾講師・教育系インフルエンサー