ワイヤロープ製造から転換、泉州野菜の魅力発信
地域の役に立つ
22年には、本社に併設する形で、自社製品などを扱うカフェも開業した。顧客の反応を探り、商品改良に生かす狙いもある。商品開発に携わる花岡良輔(35)は、「商品の感想がダイレクトに届くのがうれしい」と笑顔を見せる。 商品開発で忘れないようにしているのは、地元への貢献という視点だ。その一環として、農家で廃棄されがちな形がいびつな規格外野菜を活用する試みにも取り組んでいる。賞味期限の長いピクルスの特長を生かせるといい、食品ロスの削減にもつなげたい考えだ。 西出は「ワイヤロープの会社は、この地域で育ててもらった。これからも地域に役に立つことをしていけば、きっと生き残ることにもつながる」と力を込める。(敬称略)
<会社ナビ>食品事業を主力に
1952年、「日本スチールワイヤロープ」として設立。高度経済成長を追い風に事業を拡大してきた。2013年に現社名に変更した。現在はワイヤロープからは撤退し食品事業が主力となっており、ハーブや果実を使ったバスソルトやせっけんなどの製造への進出も検討する。24年7月期の売上高は1億770万円、従業員数は20人。本社は大阪府泉佐野市。