阪神が新外国人ソラーテ加入で直面する外国人枠問題
阪神の新外国人、ヤンハービス・ソラーテ(32)の入団発表が22日、西宮市の球団事務所で行われた。打線強化がチーム浮上のキーワードの阪神にとって待望の助っ人。ストレート系に強いスイッチヒッターで、メジャーデビューした2014年から10本、14本、15本、18本、17本と5年連続で2桁本塁打を記録しておりコンタクト率が高いのが特徴。変化球への対応力もあり、右打席より左打席がいい。ドジャースの前田健太(31)とも対戦しており17打数6安打、打率.353、1本塁打の成績を残すなど日本人投手への“免疫力”もある。また守備位置は、三塁、二塁が本職だが、ショート、一塁、レフト、ライトの経験もあるマルチプレーヤーで、チームとしての攻撃オプションを複数作ることができる。 ただ、一時期、400万ドル(約4億3200万円)を越える年俸をもらっていたが、昨年が打率.226、今年が打率.205(いずれもメジャー成績)と、打率が急降下した点は不安。日本では、途中加入の新外国人が、いきなり実力を発揮することもレアケースとなっている。それでも、ソラーテの打撃フォームは、足の上げ方も小さくブレが少なくてコンパクト。”大外れ”がなさそうなデータもあり、マルテよりも長打力があるソラーテへの期待は大きい。 だが、ソラーテの加入で悩ましい問題も浮上した。 外国人枠問題だ。登録4人、試合出場3人がNPBのルール。4人登録の場合「投手2人、野手2人」「投手1人、野手3人」「投手3人、野手1人」の3パターンに限定されるため、打線強化のために、ソラーテ、マルテの2人をラインナップに並べるとすれば、ガルシア、ジョンソン、ドリスの3人の投手のうち一人を登録抹消しなければならない。当然、ソラーテが、最優先になるのだから、「投手3人、野手1人」の布陣を選択した場合、マルテを2軍に落とすことになる。 またソラーテ、マルテの2人を使うにしても、マルテは一塁しかできないため、ソラーテのポジション起用が問題になる。彼の本職の三塁は大山。メジャーで次に多くの出場機会のあった二塁では糸原が、近本との1、2番コンビで盤石の地位を築いた。使うとすればレフトだろうが、福留が23日から1軍復帰してくるため、ポジションがかぶる。メジャーではショートも、288イニングと3分の2守っているが、守備の要であるショートを未知数の新外国人に任せるのはかなりの冒険となる。 阪神の外国人枠の使い方について元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏は、こんな意見を持つ。 「外国人投手3人のうちジョンソン、ドリスのブルペンを固める2人は外せないでしょう。となるとガルシアに代わる先発陣がいるのか、マルテを落とした場合に代わる野手がいるのか、という選択肢になりますよね。ガルシアは、今ローテーの何番手の位置にいますか? 代わる先発陣としてはメッセンジャーの復調がカギでしょう。また福留が戻ってくるのであれば、マルテに関しては、福留、原口という2人の代わりの野手がいます。そう考えると2人の代わりがいるマルテを落とすことがチームの戦力を最大に使う選択肢になるのかもしれません」 ソラーテとマルテの交代で一塁起用がノーマルだろう。