松川東小学校閉校から10年 卒業生や職員集い交流【長野県松川町】
2015年3月末に閉校した長野県松川町生田の松川東小学校の卒業生や当時の職員、保護者らが集い、地域と学校のあり方を考えるパネルディスカッションがこのほど、町中央公民館で開かれた。閉校時の児童会長や校長をはじめ、保護者らでつくる「けやき応援団」の初代運営委員長らが登壇。学校生活や地域との関わり方などを振り返り、地域と学校のより良いあり方を探った。 1892(明治25)年に開校し、1959(昭和34)年に松川東小に改称。以降753人の卒業生を送り出し、2015年に閉校となった。 周囲の豊かな自然環境を生かした「緑の学校」として、自然学習を教育活動の中核に据え、毎年地域に素材を求めて探求。14年度末には京都大学総合博物館で研究発表を行った。地域との関わりが深く、授業やさまざまな行事など、学校と地域が一体となって進められた。 閉校年度に児童会長を務めていた松下陽佳さんは「とにかく楽しかった。自然学習や地域の人たちとの交流を通じて松川町を好きになった」と当時を振り返った。現在は町内で保育士として働いており、「子どもたちに地域の人が関われば関わるほど愛着が増すと思う。園児と地域のつながりもたくさんつくっていきたい」と力を込めた。 パネルディスカッションの前には、東小で2010年3月に埋められたタイムカプセルの発掘も行われた。児童の絵や習字、作文などが収められており、卒業生や職員らが懐かしそうに目を細めた。 現在は京都で教職に就いている大森吉記さんは、タイムカプセルを埋めた当時2年生。自身の作文を手にとり「意外ときれいな字を書いていて驚いた」と笑顔を見せ、「本当に楽しかった思い出しかない。東小と同じような授業は難しいが、当時を思い出し新鮮な気持ちになれた」と話していた。