阪神・原口抗議も球審認めず そのワケは?元NPB審判員が解説 マルティネスの問題点も指摘
元NPB審判員の坂井遼太郎氏が14日、自身のXを更新。阪神・原口が中日・マルティネスの投球に抗議した件に触れ、ルールを説明した。 【写真】誰が見ても構えてない原口 まるで無関係にミットに吸い込まれるボール 原口は2点を追う九回1死、代打で登場。1-1からの3球目、一度タイムを取ってから、まだ構えが不十分の様子だったが、マルティネスは構わずに投球。有隅球審がストライクと判定したことに猛抗議した。その後、原口は三振に倒れた。 坂井氏はマルティネスの投球について、「先に結論を言いますと、かなり微妙ですが『クイックピッチ』ではないです。ただ今回は、この投球の前の行動も含めて、色々複雑な状況が入り混じった為、今回のような形になってしまっています」と切り出した。 坂井氏はまず、「打者の義務」から言及。「野球規則5.04b(打者の義務)」に触れ、以下の項目を説明した。 (1)打者は自分の打順がきたら、速やかにバッターボックスに入って、打撃姿勢をとらなくてはならない。 (2)打者は、投手がセットポジションをとるか、またはワインドアップを始めた場合には、バッターボックスを出たり、打撃姿勢をやめることは許されない。 【ペナルティ】 打者が本項に違反した際、投手が投球すれば、球審はその投球によってボールまたはストライクを宣告する。 そのうえで、「今回は打者がバッターボックスを外しても、通常のように判定されたことについては正しかったことが分かると思います」と記述。また、セ6球団で定めているアグリーメントの「スピードアップ」についても触れた。 違反のクイックピッチは「あくまで、常識的な投球間隔より早いタイミングで投手が投げたことにより、打者が構える余裕すらなかった時のことであります」とし、「今回の動画を確認していただければ分かると思いますが、打者は投手がセットポジションをとって、正対しているにも関わらず、あえて打撃姿勢を取ろうとしていません。ですので、球審もクイックピッチとはせず、通常の投球として判定しました」と説明した。 一方、マルティネスの動作についても問題点を指摘。原口がタイムをかけた際に触れ、「本来であれば投手は一度セットポジションを解除し、両手をグラブから外させなければいけなかったのです。また審判員としても、もし投手がセットポジションを解除するよううに注意する必要がありました。ただ、今回は打者がバッターボックスを外した行為があり、すぐにプレイを再開しなくてはいけないことがあった為に、そこを見落としてしまったのだと思います」とした。 坂井氏は原口や有隅球審の性格にも触れたうえで、「スピードアップ」も含めた複合的な要因で起きた事象だったと説明。「原口選手も有隅審判も本当に人として尊敬できる素晴らしい方です」とも付け加えている。