吉田輝星はオリックスにトレード移籍で大化けも?「お手本になる右腕」とは
リリーフで頭角を現した昨年
衝撃を受けた野球ファンは多いだろう。日本ハム・吉田輝星とオリックス・黒木優太の交換トレードが成立したことが11月24日、両球団から発表された。吉田は日本ハムの球団公式サイトを通じ、「ドラフト1位でファイターズに獲得してもらって、5年間優勝に貢献するような活躍ができず申し訳ないですし、すごく悔しいです。たくさんの方々に支えられて感謝しかありません。ファンの皆さん応援していただいて、ありがとうございました」とコメントを発表した。 【選手データ】吉田輝星 プロフィール・通算成績 金足農高で甲子園準優勝に導いたのが5年前の2018年。「金農旋風」と称された快進撃は社会現象となり、絶対的エースとして秋田大会、甲子園で計881球を投げ抜いた吉田はまばゆい輝きを放っていた。ドラフト1位で日本ハムに入団。将来のエースと期待された右腕は、プロ4年目の昨年にリリーバーで頭角を現す。51試合登板で2勝3敗5ホールド、防御率4.26をマーク。ただ、先発への強いこだわりは持ち続けていた。昨年8月に週刊ベールボールのインタビューで、「【FUTURE】描く3年後の自分」というテーマ」に触れた際、以下のように語っている。 「今まではずっと先発をやってきましたし、今季の中継ぎの経験も糧にして、自分の中のプランとしては来年から先発としてやっていければと思っています。ファイターズでは上沢(上沢直之)さんや(伊藤大海)大海さん、加藤(加藤貴之)さんが先発するときは、中継ぎ陣も『長いイニングを投げてくれる』『完投もありえる』、何より『勝ってくれる』と思いながら見ています。僕もいずれはそういったエース級の先発ピッチャーになりたいなと思います」
今年は苦しいシーズンに
先発に再挑戦した今季だったが、苦しいシーズンとなった。投球フォームの改良に取り掛かったがコンディションが上がらず、開幕からファーム暮らし。8月25日に救援要員で一軍昇格したが3試合登板で防御率9.00と結果を残せず、1週間も経たずにファームに降格。再び一軍のマウンドに上がることはなかった。 ドラフト1位で将来を嘱望された投手だけに、入団から5年後でトレードでの放出は球団も悩んだに違いない。甘いマスクとさわやかな性格でファンの人気も高い。ただ、吉田の野球人生を考えると新たな環境でスタートを切った方が能力を引き出させると判断したのだろう。