「順子さん、ありがとう」首里の通学路の安全守って22年、交通指導員を定年で“引退” 那覇 沖縄
【那覇】「順子さん、ありがとう」-。那覇市の城西小学校正門前で、市の交通指導員として子どもたちの登校中の安全見守りに尽力してきた中山順子さん(75)が8月、定年のため22年にわたる活動を終えた。毎朝、子どもたちに声をかけ安全を見守ってきた中山さん。最終日の30日には児童だけでなく保護者や卒業生、通勤者も駆け付け、感謝の気持ちを伝えた。 【写真】昼は病院、夜は「町の自習室」 医大生も“助っ人”
中山さんが市の交通指導員となったのは2002年。自身の子どもの高校卒業と同時に活動を始めた。以来22年、雨の日も風の日も朝7時から約1時間半、黄色の旗を手に登校の安全を見守ってきた。 毎朝、笑顔で接する中山さんに「順子さん、順子さん」と懐く子どもも多い。中山さんも「小学校に入る前から知っている子が高校生になっても声をかけてくれる」と目を細める。 最後の日、いつものように交通指導をする中山さんに、多くの人たちが感謝の言葉をかけていた。引退を知り妹と駆け付けた生徒(15)=西原高1年=は「小学生の頃から毎朝見守ってくれたおばあちゃんみたいな存在。感謝しかない」と目をうるませた。「子どもたちに会えなくなるのはさびしい」という中山さん。「今後は自分の孫の登園・登校を手伝いたい」と笑顔を見せた。
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