日本酒 海外需要が新局面 輸出復調もまだら模様 訪日客需要は急増
空港で高級酒が人気に
訪日客が過去最多ペースで推移する中、日本酒の免税売上が急増している。成田国際空港旅客ターミナル内で店舗運営するNAAリテイリングは「従来は日本から海外出張する際のビジネスユースが目立ったが、近年は外国人の購入が明らかに増え、ブランドの指名買いも多い」と話す。羽田空港第3ターミナルでは、日本酒の販売実績がコロナ禍前の2倍以上と好調だ。免税店を運営する日本空港ビルデングは「日本酒に対する関心の高まりを感じる。輸出に注力するメーカーらが世界中でプロモーションしてきた効果では」とみる。 両空港に共通するのは「従来に比べプライスラインが上がってきた。10万円クラスの高級酒が売れることも珍しくない」。「獺祭」「久保田」「八海山」など国内外で認知度の高い銘柄だけでなく、原料米や製造法にこだわったストーリー性のある商品も人気だという。 NAAリテイリングは「円安の効果はあると思うが、外国人にとっても決して安い買い物ではない。日本文化への関心とともに、メイドインジャパンの信頼も感じる」。