シェフラーとラームは正反対のスウィング? PGAツアーとLIVゴルフの年間王者をAIで分析
シェフラーは左足軸、ラームは右足軸、トップの軸も正反対
そしてトップを正面から比較してみましょう。「SWAY GAP」は胸と骨盤の左右差を表します。(「マイナス」は胸が骨盤より右、「プラス」は胸が骨盤より左)シェフラーはマイナス1.9cm(右)と、胸と骨盤の左右差が少ないのに対してラームはマイナス7.3cmと、シェフラーに比べて胸がより右に移動しているのが分かります。
これはシェフラーが「フロントポスト」と呼ばれる左足軸、ラームが「リアポスト」と呼ばれる右足軸であることを表しています。「バイオスウィングダイナミクス」によると、このトップの胸と骨盤の左右差の大小と右手グリップには関連があり、右手がウィークの選手はトップで胸と骨盤の左右差が少なくなり、逆に右手がストロングの選手は胸と骨盤の左右差が大きくなるということです。そして、この相性の違いはダウンスウィングのスウィングプレーンにも影響しますので、次はこの影響について解説します。
右手グリップと胸と骨盤の左右差は、スウィングプレーンにも影響する
最後に両者のスウィングプレーンの違いを比較しましょう。ダウンスウィングの「SHAFT DTL ANGLE」のデータを見ると、シェフラーはマイナス41度とややスティープ(鋭角)なのに対して、ラームはマイナス50度とシャロー(鈍角)に下りてきているのが分かります。 このスウィングプレーンの違いは、先程の「胸と骨盤の左右差」が関係しています。例えば、ドライバーとウェッジのアドレスやスウィングを連想してみて下さい。ドライバーは右足重心でスウィングプレーンはフラット(鈍角)になるのに対して、ウェッジは左足重心でスウィングプレーンはアップライト(鋭角)になります。これをシェフラーとラームのスウィングに置き換えると、シェフラーはウェッジのスウィングに近く、ラームはドライバーのスウィングに近いと言えます。まとめると、 ▶シェフラーは ①右手ウィーク、②左足軸、③スティープなスウィングプレーン ▶ラームは ①右手ストロング、②右足軸、③シャローなスウィングプレーン ※①テークバックの手とクラブの動き/②トップの胸と骨盤の左右差/③ダウンスウィングのスウィングプレーンを指す となります。両者はまさに正反対のタイプであり、バイオスウィングダイナミクスのウェビナーでもよく比較されている2人なので、是非参考にして頂けたら幸いです。 今回は、シェフラーとラームのスウィングを比較して解説させて頂きました。海外ではバイオスウィングダイナミクスのように、より自分にマッチしたスウィングを構築していくのが主流です。もちろん松山選手やタイガーのようなスクエアグリップは王道ですが、もし「合わない」と感じたら、シェフラーやラームのように個性を生かすスウィングも是非トライしてみて下さい !
北野達郎