阪神・金本監督誕生を星野氏が強力プッシュ!
楽天の星野仙一副会長(68)が、阪神から監督要請を受けている金本知憲氏(47)の阪神監督就任を強力プッシュしていることが7日までに複数の関係者の証言で明らかになった。阪神は、9月30日に和田豊監督(53)の退任を決定、すぐさま、1日に南信男球団社長が金本氏と直接会談を行い、次期監督要請を行ったが、金本氏は返事を保留していた。 一両日中にも、2度目の阪神との監督交渉が行われるが、星野氏は、「監督人事はタイミング。必要とされているときに受けるべき。ファンや球団の思いを裏切ってはいけない」と、悩める金本氏に受諾を薦めているという。 金本は、星野氏が阪神監督就任2年目を迎えるオフにFAで阪神に移籍した。その交渉の際、星野氏が直接、「阪神を変えるにはおまえの力が必要だ」「プロ野球界全体を考えろ」と熱意を伝え、期限ぎりぎりで、ほとんど広島残留に心が傾いていた金本の阪神移籍を決断させた。チームの新3番に座った金本は、結果だけでなく、練習を含めた妥協を許さぬ姿勢でチームを引っ張り18年ぶりのチームの優勝に大きく貢献した。 岡田彰布監督時代の2005年には、「アニキ」と呼ばれるリーダーシップだけでなく、4番打者として、打率.327、40本塁打、125打点の成績を残して2度目のリーグ優勝の中心選手となった。 星野氏は、阪神のチームカラーを内側から変えた金本の現役時代の功績を称えると共に、「今度は、監督としてチームを変えるときじゃないか」と、監督就任を強力プッシュしたという。 現在、星野氏は、楽天で実権を持つ球団トップとして、梨田昌孝氏を新監督に迎え、組閣、編成作業などに多忙を極めているが、その合間に、受諾か辞退かの選択に悩んでいる金本氏の姿を見ていられなくなり、元阪神監督、球界のOBとして、アドバイスを送ったものと見られる。
第1回目の交渉で、南球団社長は、監督要請に至った経緯と、チームの現状、金本氏が持つリーダーシップに再建を期待する球団サイドの熱意を2時間半に渡って伝えた。監督として迎えるにあたって複数年契約を含め具体的な条件提示は行ったが、金本氏が受ける受けないではなくまずは球団の話を聞くという白紙の状態でテーブルに着いていたため、意見交換は行ったが組閣などの突っ込んだ話は、もちろんまだ行われていない。 球団サイドは、金本氏の立場を尊重して、監督受諾についての熟慮期間をおいたが、現在のコーチングスタッフのそれぞれの今後の生活などを考えると、その進退を早急に決めなければならないため、そのあたりの球団の事情も、金本氏に伝えた上で、第2回目の交渉では、大きな方向性として、イエス、ノーの返答をもらうことになっているという。 金本氏は、引退後3年間、ネット裏で評論家生活を過ごしてきたが、監督、コーチ経験のないことや、阪神監督という大きなプレッシャーと負う責任などを考え、受諾という決断を下すことに憂慮している。 3年連続でAクラスを確保。金本新監督の下、悲願の優勝が期待されるが、マートンの退団が濃厚で、オ・スンファンの去就も未定。若手野手がまだ伸び悩むなど、戦力的には今季と比べて未知な部分も多く、そのあたりへの不安要素も、金本氏の決断を躊躇させていると考えられている。 また、一方では、阪神の生え抜きOBでないことへの遠慮などもあるようだが、金本氏に大きな影響力を持つ星野氏からの猛プッシュは、監督を受けてくれることを願う阪神にとって大きな追い風になることは間違いない。