ROSÉ & Bruno Mars「APT.」桁外れのヒットでバイラル1位 どこを切り取っても強いポップミュージック
「アパトゥ」というキャッチーな歌詞の中毒性の高さ
軽快な曲調の「APT.」。タイトルの他に、楽曲の冒頭やコーラスなどに登場する「アパトゥ」という言葉は韓国語で“アパートメント”という意味だ。リズミカルに繰り返されるこの言葉が、この楽曲の強烈なフックと個性になっているのは間違いない。このフレーズは韓国で若者に人気の飲み会ゲーム「アパトゥ・ゲーム」が由来だ。MVでは実際にROSÉとブルーノが「アパトゥ・ゲーム」に興じる様子がシュールかつコミカルに描かれている。ブルーノは本曲に歌唱で参加した他、プロデュースも担当。彼らしいスケール感あるキャッチーなメロディもあり、どこを切り取っても極上のポップスに仕上がっている1曲である。 韓国語と英語が混在した楽曲だが「アパトゥ」という部分は、ほとんどが英語だ。ブルーノが歌唱するパートの一部には韓国語も取り入れられているが、英語との明確な差異はまったく感じられない。以前より、韓国語はその発音からラップや洋楽的なメロディの楽曲と相性が良いという仮説は多く見受けられたが、この曲はそれを証明してくれた1曲であるともいえよう。 ROSÉもブルーノも、ラップから中高音のメロディまで安心してすべての聴覚を委ねられるほど安定しており、少し独特なリズムにも見事にライドオンしている。後半に登場するスケール感あるメロディでは、ROSÉのメインボーカルにして、ブルーノが同メロでハモるという、豪華なコラボレーションを聴くことができる。 コミカルでリズミカルな部分と、キャッチーで強いメロディのコントラスト、前述した異なる要素が重なるサウンドレイヤーで魅せるスケール感、そして最後の最後まで「アパトゥ」という言葉を発し続けながらも、しっかり楽曲にストーリー性を加えているプロデューサーとしてのブルーノの手腕もお見事だ。 ※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2024-11-06
伊藤亜希