闇バイト強盗殺人「家族に危害が」 ネットは「同情の余地なし」の声も…法的には?
●さして情状酌量はされない可能性がある
また、刑法は「犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる」と情状酌量を規定しています(刑法66条)。 脅しの態様などによっては、酌量減軽がなされる可能性がありますが、闇バイトの手口や闇バイトに引っかかりそうになったときの対処法(警察への通報や周囲の人々への相談)についてマスコミ報道で大々的に報じられていますので、脅されたとしても、警察や周囲に相談しなかったほうが悪いとして、さして情状酌量はされない可能性があります。 「家族に危害を加える」と言われたとしても、犯罪の実行を拒否した闇バイト応募者に対して、いちいち復讐をしていたら、それだけ犯罪グループが捕まるリスクが高まるわけですから、実際に家族に危害を加える可能性はさほど高くないのではないかと思います。 闇バイトに引っかかりそうになったら、まずは警察や周囲に相談するということが大事です。 【プロフィール】 本間 久雄(ほんま ひさお)弁護士 横浜関内法律事務所 平成20年弁護士登録。東京大学法学部卒業・慶應義塾大学法科大学院卒業。宗教法人及び僧侶・寺族関係者に関する事件を多数取り扱う。著書に「弁護士実務に効く 判例にみる宗教法人の法律問題」(第一法規)などがある。