小児病棟の子どもたちに打ち上げ花火を 480発が夜空を彩る、思いを込めた花火大会が開催
2023年10月28日(土)、三重県津市の町屋海岸で、病気と闘う子どもたちを応援する花火大会「スマイル花火プロジェクト」が行われました。今回、季節外れの打ち上げ花火に込めた主催者らの想いを取材しました。 【動画】「家族と普通の生活がしたい…」 闘病生活を送る子どもたちの切なる願いをのせた花火、打ち上げの瞬間は【3分53秒~】
今年で4回目、年々広がる支援の輪
スマイル花火プロジェクトは、三重大学医学部附属病院に入院している子どもたちにエールを届けるボランティア活動。コロナ禍の2020年に始まり、今年で4年目を迎えます。花火には「面会制限で寂しい思いをしながら治療に励む子どもたちを笑顔にしたい」という多くの人の思いが込められています。 花火を打ち上げるための資金は、全て「募金」。花火玉の形をした手作りの募金箱を店舗などに設置し、資金を集めています。4回目となり、年々支援の輪が広がっているそうです。 毎年花火を作っている「伊藤煙火工業」の伊藤照雄会長は、「この花火大会は、普通の花火大会じゃない。入院している子どもを喜ばせたいという目的です。花火は上を見てもらうので、少しでも上を見て元気になってもらえれば」と話します。 打ち上がる花火玉には「お外でいっぱいあそべますように」「家族そろってご飯が食べたい」「家族と普通の生活がしたい」など、闘病生活を送る子どもたちの切なる願いが貼られています。
プロジェクターでリモート面会!家族の姿を映し出す新たなアイデア
子どもたちの思いに感化され、毎年新たな挑戦を続けているプロジェクトの皆さん。今回はプロジェクターを使用するリモート面会を考案。新型コロナが落ち着きつつある現在もなお、小児病棟では面会の人数制限があるため、家族で同じ花火が見られないケースも。そこで病院内のモニターと海岸のプロジェクターをつなぎ、互いの顔が見られるようにしました。 プロジェクト代表の寺際伸一さんは、「入院している子どもたちを海岸のプロジェクターで映し出す。例えば病院にお子さんとお母さんがいるなら、お父さんやきょうだいに海岸で見てもらう」とアイデアを説明します。 病室のモニターと海岸のプロジェクターがつながり、なかなか自由に会えなかった大切な家族の姿が映し出されると、互いに「みんないるよ!」「見ているよ!」と呼び合います。直接会えずとも顔が見られた喜びで、花火が打ち上がる前から、すでにたくさんの笑顔が生まれました。