プーチン大統領、11日にイラン大統領と会談…「中東の影響力維持」狙う
戦争拡大の流れの中、イランに近づくロシア
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が11日(現地時間)、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領と会談すると、ロシア大統領府(クレムリン)が発表した。激化している中東情勢に関する会談を行う予定だ。ロシアに武器を提供したという西側の疑惑を受けているイランを通じて、西側を牽制し、中東地域に対する影響力を維持するためと分析される。 タス通信の報道によると、プーチン大統領は11日、国際フォーラム参加のためにトルクメニスタンを訪問し、ペゼシュキアン大統領と会談する。ユーリ・ウシャコフ大統領補佐官はタス通信に「すでに合意されている」とし、「今回の会談は両国問題を議論し、急激に高まった中東状況に対する意見を交わす上で重要だ」と述べた。また、他の国家首脳との2国間会談も開かれる可能性があると答えた。しかし、「イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に会う予定はない」と述べたと同通信は報じた。 ペゼシュキアン大統領はまた、22~24日にロシアのカザンで開かれる新興国協議体BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)の首脳会議の際にもプーチン大統領と会談する。AFP通信が先月24日、イラン政府のファテメ・モハゼラニ報道官の話として報道した。 ロシア外務省は、1日のイスラエル軍のレバノン侵入を非難し撤収を促すなど、戦争拡大の反対を表明してきた。しかし、イスラエルの戦場がシリア、イランまで拡大していく流れの中で、ロシアも機敏に反応しているという分析が出ている。 アゼルバイジャンのバクーに滞在している中東専門家のルスラン・スレイマノフ氏は、「この2年半のウクライナとの戦争の間、ロシアはイランと緊密に協力してきた。イランの武器需要が多く、ロシアは依存している」とし、ロシア国内でドローン「シャヘド」の生産工場建造にイランの軍事専門家らが協力しているとアルジャジーラに話した。しかし同氏は、ロシアが戦争拡大を望んでいるとはみていない。同氏は、4月1日にイスラエルがシリア・ダマスクスのイラン領事館を攻撃し、イランがイスラエル本土に向かって約300機のドローンとミサイルを発射したことに言及し、「4月にイランとイスラエルが衝突した時もロシアはイランの肩を持たなかった」として「ロシアは中東の混乱を通じて利益を得ている」と述べた。 ウォール・ストリート・ジャーナルは同日、「死の商人」として知られたロシアの武器商人ビクトル・ボウト氏が、イランの支援するイエメンのフーシ派に小銃販売を仲介していると報じた。アフリカ、南アメリカ、中東などでソ連製武器を販売し、2008年に米国の法執行機関に逮捕されたボウト氏は、釈放後に極右政党に加入し昨年地方議会議員に当選した。ところが、8月にフーシ派がモスクワで1000万ドル相当の自動武器の購入を交渉する際にボウト氏と会ったという関係者の陳述があったという。ボウト氏はタス通信に、フーシ派に武器を販売したという主張は「根拠のない非難」だと反論した。 米国と欧州連合(EU)など西側は先月11日、イランがロシアに弾道ミサイルなどの兵器を供給したとし、イラン制裁の対象に航空と船舶などを追加した。 チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)