西武・秋山はマートンの日本最多安打記録を破ることができるのか?
秋山は今季、グリップを下げてバットを寝かしたフォーム改造に取り組み、見事に成功した。 里崎氏は、「バットを寝かしてグリップを下げたことで、ボールを点でなく線でとらえることが可能になり、これまで前にあったミートポイントが体に近くなった。長くボールを見るわけだから、見極めもよくなり、変化球にも対応できるし、当然率は上がる。僕が知っている去年までの秋山は、最初から打球方向を決めているケースが少なくなかった。だからコース別に狙い球を張っていたし、こちらも裏をかきやすかったが、ミートポイントが前にあるから、そうせざるをえなかったのだろう」と、高打率と史上6人目の200本安打を達成した理由を分析している。 もうひとつの目標である首位打者獲得には、ソフトバンクの柳田という最強のライバルが上にいる。16日現在、柳田が.366で、秋山が.360。柳田は四死球が92もあるが、秋山は56。200本安打を打っても、首位打者を独走といかない最大の理由は、この四死球による打数の違いがある。 掛布氏も「36個も四死球の違いがあると厳しいかもしれない。ここまでくると、残り試合で量産しても打率がそうあがらないし、CS進出と最多安打記録のかかっている秋山は休めないだろう。逆に優勝もトリプルスリーも間違いない柳田は、試合出場調整が可能になってくる」と見ている。 実際、過去に5人いる200本安打達成者のうち、2人が首位打者タイトルを獲得できていない。2007年のラミレス、2010年のマートンは、いずれもヤクルト時代の青木宣親に首位打者タイトルを奪われている。 いずれも高い壁であることは確かだが、秋山のプライドをかけた戦いが最後の最後まで注目を集めそうだ。