「親を嫌いではないけど苦しい」のは、親が子どもを思い通りにしようと「支配」する傾向があるから
こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。 【画像】親を見捨てるのは「親不孝」とは限らない 現代は過剰なほど「ネガティブな感情」になりやすい環境と言えます。 誰しも少なからず、ネガティブ感情を抱え込んでいるとは思いますが、その捉え方はさまざまです。そして、その考え方や価値観の基礎を作っているのは親との関係性です。 子どものうちは受け身でしかいられないこともあると思いますが、成長すれば、自らの意思で選択することが可能です。
不快やつらいと感じることも捉え方を変える、湧き上がってくる感情の「置き場所」を整理することによって払拭できることがあります。 そのための方法を、拙著『ネガティブな自分のゆるし方』より、考え方やTODOを一部抜粋、再構成してお届けします。 ■子どもは「自己肯定感を高める存在」 過干渉、抑圧、依存、束縛などの行為により、子どもに悪影響をおよぼす「毒親」という言葉は、1990年頃から使われています。 私も何万人ものカウンセリングをしてきましたが、人知れず親子関係にネガティブな悩みを抱える人は多く、他人同士の人間関係より根深い問題です。
例えば、こんなシーンの相談を受けることがあります。 子どもの頃から母の言うことは絶対。習い事、進学、就職など、これまで何もかも母の考えを基に決めてきた。母のことは嫌いではないが、大人になっても自分の意見は通じず、結局親の言う通りに生きてしまっている。 こうした「嫌いではないけど苦しい」理由は、親が自分の思い通りにしようと「支配」する傾向があるからです。 能力や知識、知恵がじゅうぶんでない子どもは、親に頼るのは当たり前のことです。大人へと成長していく過程の中で、親にコントロールされたとしても、子どもでは自分の力で反発するのは簡単ではないでしょう。
しかし、成長過程で親からの支配を断ち切る「反抗期」は誰にでも訪れます。 反抗期が起こるのはごく自然なことで、大人としての自立心が芽生える第一歩です。しかし、なかには「反抗期がなかった」、もしくは「あったとしても親との依存関係が払拭できなかった」場合、大人になっても支配される親子関係が続くケースがあります。 そして、「パートナーから否定される」「社会に必要とされていないと感じる」など、子ども以外から存在を認めてもらう場所がない親の場合は、特に自分の言うことに反抗せず従ってくれる子どもが、自己肯定感を高める存在へと変化してしまうのです。