土日チーム優先で「家族に迷惑かけた」 コーチ不足阻止へ…私生活を確保する“担当制”
指導者の年代で役割分担…20代は“兄”、40代は“父親”
指導者の年代によっても役割が変わる。選手と年齢が近い20代の指導者は“兄”のような距離感で、選手たちとグループLINEで連絡をとる。一方、池西監督ら40代の指導者は“父親”の代わりを務める。選手と一定の距離を保ち、怠慢プレーやチームの士気を下げる態度は厳しく指摘する。30代の指導者は、20代と40代の間に入ってバランスをとっている。池西監督が意図を説明する。 「全ての指導者と選手の距離が近すぎると、チームに締まりがなくなります。大切な子どもたちを預かっているので、保護者が家庭において叱るようなことは、チームとしても叱っています」 保護者が指導者をする「パパコーチ」は、チーム創設から一度も取り入れていない。南大阪ベースボールクラブでは選手の自立と対応力を掲げているため、保護者にはグラウンドに来ることを控えてもらうよう伝えている。 ただし、自宅に戻って親子で上達する方法を研究し、新しい打ち方や投げ方をチームの練習で試すことは禁じていない。池西監督は「指導者が選手にアドバイスはしますが、その通りにするかどうかは選手次第です。YouTubeなどで見たフォームで結果が出るなら、その方が選手は野球が楽しいはずですから。一方。野球経験が豊富なお父さんほど、何も言わずチームの指導者に任せてくれる傾向があると感じるので、責任も大きいと思っています」と話す。 小・中学生の野球チームで指導者不足に悩むチームは少なくない。土日のどちらかは家族と過ごす時間を確保できる曜日担当制は、課題解決のヒントになる。
間淳 / Jun Aida