【ニュージーランド】NZ移民純増数が過去最多、内需に影響へ
ニュージーランド(NZ)の昨年の移民純増数が12万6,000人となり、暦年では過去最多となったことが、NZ政府統計局(SNZ)の発表で分かった。昨年12月31日時点の人口推計は530万5,600人となった。人口増加は、住宅や雇用、インフラ、内需に影響を与えるとみられる。 昨年の移民流入数は25万4,700人となり、前年比で114%増加した。流出数は12万8,700人で36%増だった。 人口増加数は14万5,100人と、2.8%増だった。年齢の中央値は、女性が39歳、男性が37.1歳となった。 ■家賃高騰、インフレ要因にも 地元メディアのスタッフ(Stuff)によると、移民流入により、昨年末に家賃が平均の2倍の速度で上昇した。バンク・オブNZ(BNZ)のチーフエコノミスト、ジョーンズ氏は、人口増に対応できるほど十分なペースで住宅が建設されていないと指摘している。 一方、昨年移住した移民が住宅購入を決断することで、今年は住宅価格を押し上げるとの見方も出ている。 またジョーンズ氏は、移民増加により最大の影響を受けているのは雇用市場だと主張。「1年前と状況が180度変わり、今は労働者の供給過多になっている」と述べた。 インフラについては、人口増により問題が浮き彫りとなる可能性が指摘されている。 さらに、商品への需要が急増する恐れがあり、インフレ抑制努力を続けるNZ準備銀行(RBNZ)の障害となりそうだ。小売りの売り上げは減少しているが、移民流入がなければ減少率はさらに加速していたとみられる。 RBNZのオア総裁は、「インフレは減速しているが、まだ目標範囲(1~3%)には至っていない」と指摘。「ここからの道のりは険しくなるかもしれない」との見方を示した。