「AIがすごくなったら“元アスリート”は何したらいいんですか?」元陸上競技選手・為末大の悩みに落合陽一の答えは?
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。2月13日(火)のお客様は、元陸上競技選手・為末大さんと常連客・落合陽一さん。ここでは、為末さんの悩みに落合さんが回答していきました。
◆進化する“AI”アスリートはどうする?
為末:僕、落合さんに1つ相談したいことがあって。AIがすごく進化したら、僕らみたいな元アスリートは何をしたらいいんですか? 落合:えぇ(笑)? そもそもアスリートは体が強いから、AIには全然負けないじゃないですか。 為末:そういう戦い方(笑)? 落合:遠藤謙さん(義足エンジニア)と話をしていたときに「AIはこんなにいろんなことができるようになっているのに、歩けるようになるまでずいぶん時間かかるね」みたいな話になって。 為末:なるほど。 落合:できるようになったことで結構多いのは、言葉で説明したものを学習できるようになって、ずいぶんと状況を整理しやすくなったというか。 為末:うんうん。 落合:今までは、(学習用に)画像をめちゃくちゃ入れて、そのなかで得た特徴をデータに取る、みたいなことをやっていたんですよ。もちろん今も、そういうモデルがベースにあるんですけど、それが例えば、「スタジオの机の上に紙があって、その紙が何枚あって、こんな重なり方をして……」っていうように、目に映る様子を説明すると、(AIが)“スタジオの机の上に置かれた台本である”みたいな、ChatGPT的に言えるようになったじゃないですか。 為末:はい。 落合:それをロボットの学習に用いると、それを理解したうえで、今度は(ロボットの)手でつかんだ紙が、台本であるかどうかみたいにフィードバックできたりと、ずいぶん進歩が早くなったんですけど。 為末:へ~! 落合:ただ、走り方とかはまだあまりうまくなっていないですね。 為末:それってつまり、人間に対しても、見ている情報をある程度言語的に説明できると、(伝えた相手が)そのなかで“どう振る舞えばいいか”みたいなことも分かりやすくなる、そんな感じなんですかね? 落合:そうだと思います。よくダンスとかで“鏡に映っている自分をどう言葉で表現するか”みたいな練習があったりするじゃないですか。演劇なんかでも、今のメンタル状態を言葉で表現して、もう一度リフレインする、みたいな。それに近い気がします。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」2024年2月13日(火)放送より)