「食欲の秋」の次は…「音楽の秋」。 トイピアノ演奏　♪愛の花 9月22日、高知市で開かれたのはトイピアノコンサート。「トイピアノ」とはその名の通りおもちゃのピアノです。 調律ができず1台ごとに音色が異なるため、数台のトイピアノを組み合わせて演奏します。 トイピアニスト・畑奉枝さん： 「全部の曲で4台使うわけじゃなくて、ある時はこれだけとか、ある時は2台だけとか、その組み合わせ方も変えながら、それが曲の味にもなっていくかなと思って」 演奏するのは愛媛出身のトイピアニスト・畑奉枝さんです。2008年に骨とう市でトイピアノと出合いとりこに。それ以降、全国でコンサートを開いています。22日は音域や音色が異なる4台のトイピアノが登場しました。 コンサートでは「トイピアノで世界旅行」をテーマに、それぞれの国の民謡やその場所をイメージさせる曲が披露されました。 トイピアノ演奏：♪戦場のメリークリスマス（インドネシア・ジャワ島） トイピアノ演奏：♪オー・シャンゼリゼ　（フランス） 畑さんには統合失調症を患っている3歳上の兄がいます。トイピアノを実家に持ち帰った時に、その兄が即興で演奏を始めたそうです。 トイピアニスト・畑奉枝さん： 「何でそんなことできるのって聞いたら『本物のピアノはしんどい、ちゃんとやらなきゃいけない。だけど、これはおもちゃで不完全な存在だって言っただろ。だったら自分もそういう精神の障害を持っていて不完全な人間だから寄り添える。寄り添ってくれる』」 兄が即興で作曲した曲も披露されました。 トイピアノ演奏♪扉 高知市から： 「かわいいのと、でも音がどれも、どれも違うので、それで同じ曲でも聞いたことある曲でも全く違うものに聞こえて、初めての音色が聞けたのですごい楽しかったです」 土佐市から　： 「みんな完全な人なんかいないじゃないですか。色んな問題抱えてるし、そこを抱きしめてくれるような音・音楽そこが好きです」 トイピアニスト・畑奉枝さん： 「不完全な存在だから放つ光があるっていうことをトイピアノは私にも教えてくれたように、完全じゃなくて良くて。その方がほかにない個性が出てきますし、平均的にしなくても自分の得意なところを思いっきり出せばいいじゃないっていう、そんなメッセージも伝えたいなと思っています」 会場は幻想的でどこか懐かしい音色に包まれ、訪れた人は聞き入っていました。