米兵の性的暴行事件5月にも 県警発表せず 知事「怒り心頭」
沖縄県内で米海兵隊上等兵の男(21)が女性に性的暴行しようとし、5月に不同意性交致傷の疑いで県警に逮捕され、その後起訴されていたことが28日、捜査関係者への取材で分かった。沖縄では3月に米空軍兵が不同意性交などの罪で起訴されていたことが今月まで県に知らされていなかったが、この事件も報告されていなかった。 捜査関係者によると、男は5月下旬、沖縄本島内で、女性に性的暴行しようとし、けがを負わせた疑いで逮捕された。通報を受けた県警が行方を追い、基地の外で逮捕。那覇地検は6月17日、不同意性交致傷罪で男を起訴した。 日米地位協定によると、在日米軍人らが公務外で罪を犯し、日本の警察が逮捕した場合、容疑者の身柄は日本側が確保して捜査する。捜査関係者によると、今回も県警が逮捕後も身柄を拘束して捜査したという。 県警によると、今年1~5月の米軍人・軍属らによる殺人や強盗、不同意性交などの凶悪犯の認知件数は5件(暫定値)で、前年の2件をすでに上回っている。 県によると、この事件も、県警や外務省などから県への報告はなかったという。玉城デニー知事は28日、「本当に怒り心頭。連絡体制を再整理しないといけない」と話した。(伊藤和行、小野太郎)
朝日新聞社