お菊さんが幽霊アイドル?女性落語家・金原亭杏寿“きゅんポイント”で切り開く「推し活落語」の可能性
CDデビュー、映画主演…声優・山口勝平さんとのデュエットも話題に
女性落語家・金原亭杏寿。前座時代から「艶かわいい」と注目され、’23年2月、5年の修行期間を経て念願の二ツ目に昇進した。5月には歌手としてミニアルバム『落語歌謡「品川心中」』をテイチクエンタテインメントよりリリースしCDデビュー。さらに林家しん平監督作品の映画『忍獣大戦記「蛇龍対號羅」』では主演をつとめるなど、昇進後の活躍の幅は落語の世界を超えた広がりをみせている。 【撮り下ろし!】艶かわいい…! 可憐なワンピース姿で… デビューCDの収録曲には「品川心中」「お菊の皿」「目黒の秋刀魚」など、誰もがよく知る古典落語をモチーフとした楽曲が並ぶ。そのうちの一曲、高田文夫作詞の「品川心中~品川の恋の物語~ feat.山口勝平」は、杏寿さんの師匠・金原亭世之介さんがかつてリリース予定で制作されたものの世に出なかった曲だそうだ。 このしっとりしたデュエットソングのお相手はタイトルに記されている通り、『ONE PIECE』のウソップや『名探偵コナン』の工藤新一などで有名な声優・山口勝平さん。もともと杏寿さんが大ファンで、デュエット相手の希望を聞かれ名前をあげたところ山口さんが快諾、夢が叶うかたちとなった。 「もともとアニメは大好きで。誰とデュエットしたいか聞かれたときに名前をあげたら、本当にそれが叶うなんて。アニメのキャラとはまた違うダンディな歌声がまたよくて! レコーディングの日は完全にファン目線で感激していました(笑)」(金原亭杏寿さん・以下同) ◆朝ドラ『ちむどんどん』、特撮怪獣映画…歌や演技も「落語の表現」のために 杏寿さんは落語家として入門するまでは出身地の沖縄で女優・タレント活動をおこなっており、NHK連続テレビ小説『純と愛』などへの出演経験もある。入門後も落語家修行のかたわら『ちむどんどん』やWOWWOW連続ドラマ『フェンス』などいくつかの作品に出演していた。 そんな杏寿さんの主演映画『忍獣大戦記「蛇龍対號羅」』は古きよき雰囲気を漂わせ忍者も活躍する特撮怪獣映画。杏寿さんの役どころは忍者とその末裔の自衛隊士官の二役。 「アクション経験がなかったので苦戦しましたが、忍者の格好でのアクションは楽しかったです。ただ忍者装束って、紐がたくさんあったり、着るのが大変なんですね。 それでもたもたしてたら監督の(林家)しん平師匠が『ヨノちゃん、こっちやってよ』と、見学に来ていたうちの師匠に手伝わせて。しん平師匠と世之介師匠が私の足元で片足ずつ紐を縛ってくださるという状況に(笑)」 高座での落語の披露以外の活動も精力的にこなす杏寿さん。 「師匠もかつてレコードを出したりファッションモデルをやったり、いろいろなことを経験されていて、私も落語の表現のためにも色々なことをやったほうがいいと。 私が普通の落語家があまりやらないことをやっても、『世之介の弟子だもんな』で理解されるような免罪符をいただけているのではないかというところは心強いです(笑)」