債券トレーダー、利下げゼロで米10年債利回り5%超のシナリオも視野
(ブルームバーグ): 米連邦公開市場委員会(FOMC)は今年利下げしないというシナリオが一段と現実味を帯びる中、債券トレーダーは米10年債利回りの5%突破に備えている。
英運用大手シュローダーは複数の年限で米国債をショートにしている。持続的なインフレに伴う金利高止まりのリスクが背景だ。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)はFOMCが他の先進国・地域よりも緩いペースで緩和を進めると予測しており、年内に緩和をまったく行わない可能性も「無視できない」とみている。
わずか数カ月前までは3月から6回の0.25ポイント利下げを織り込む見方が主流だった。債券を巡る見方は急速に変化している。
10日発表された3月の米消費者物価指数(CPI)統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が3カ月連続で市場予想を上回る伸びを示し、米国債は大幅安となった。債券弱気派の声は一段と強くなりつつある。
シュローダーの債券部門副責任者ケリー・ウッド氏(シドニー在勤)は10年債利回りが「5%超というのはあり得ない話ではないだろう」と述べた。同社はFOMCが「今年まったく利下げを行わない可能性」にも備え、米2、5、10年債に対して弱気なポジションを取っている。
原題:Bond Traders Shift Thinking to a 5% Yield, No Rate Cut World
(抜粋)
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Ruth Carson, Masaki Kondo