智弁和歌山がコールド勝ちで独自大会決勝へ 「眠れる4番」徳丸が4打点
高校野球の和歌山独自大会は5日、和歌山市の紀三井寺球場で準決勝があり、2020年甲子園高校野球交流試合に出場する智弁和歌山は4番・徳丸天晴(てんせい、2年)が3安打4打点と活躍。日高に12―3で七回コールド勝ちし、決勝に進出した。 【智弁和歌山は伝統の強打健在】 ライナー性の打球が中堅手の頭上をあっという間に越えていく。徳丸らしい強烈な一打だった。一回無死満塁。外角の直球を「芯で捉えた」と力強くはじき返すと、走者一掃の先制二塁打に。二回も中前適時打を放ち、序盤に主砲のバットで試合を決めた。中谷仁監督は「打つべき人が打つと、こういう点差になる」とにんまりだ。 184センチ、86キロと体格に恵まれた右の長距離打者。1年春から4番を任せられてきたが、打ち損じが多く、期待に十分応えられていない。今大会も4番としての気負いから強引に引っ張る打撃が目立ち、結果が出ていなかった。 準決勝を前に気づきがあった。「自分のスイングの形ばかり意識して、相手投手に合わせることを怠っていた」。この日は相手投手がクイックモーションで投げる際、普段は高く上げる左足をすり足気味に変えた。タイミングが取りやすくなった分、2本の適時打につながった。 6日の決勝に向け、「タイミングを意識し、チームのために1本打ちたい」と意気込む。独自大会後の交流試合では尽誠学園(香川)との一戦が控える。眠れる4番に明るい兆しが出てきたことは、チームにとって追い風だ。【安田光高】