【片づけのコツ】雑貨をやっつければ、部屋は驚くほどスッキリする
家の中を片づけても、どうにもスッキリしない感覚に悩まされることはないだろうか? 片づけのプロが1万軒以上のお宅を片づけて気づいたのは、「こまごましたモノ」の存在だ。 洋服や靴、本やゲームなどの好きだからたくさんあるものより、存在意義も誰がいつどこで入手したのかもよくわからない「謎アイテム」のほうが、やっかいな存在で、このような雑貨をいかに処分できるかが片づけ成功のカギとなる。 そこで、登録者数16万人の人気YouTube「イーブイ片付けチャンネル」の運営者であり、書籍『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』の著者・二見文直氏に、「こまごましたモノ」の捨て方のコツについて教えてもらった。(構成/ダイヤモンド社・和田史子) ● 「こまごましたモノ」に要注意 1万軒以上のお家にお邪魔して気づいたのは、片づけのキモは「名前のないモノ」にあるという意外な事実でした。 相談者さんから「ウチは洋服が多いです」「僕は靴を集めるのが趣味なので大量にあります」「本が本棚にいっぱいで」といったお話をいただくのですが、このような「自分が好きで集めているもの」に関しては、みなさんおおよその総量を把握しています。 「どのくらい家の中にありますか?」と尋ねると… 洋服だったら「ウォークインクローゼットの中と、隣の部屋にハンガーラックと衣装ケース6個あって、ほかにもソファの上にもありますねえ」 靴だったら「靴箱に50足、僕の部屋に100足はあります」 本だったら「ワイヤーラックとカラーボックスにぎゅうぎゅうに入っています」といった具合に、具体的に答えられます。 実はこのように数を把握しているものに関しては、片づけにおいてあまり心配ありません。この連載では、「片づけの一歩は捨てること」とお伝えしていますが、自分が好きで集めているものは、多少時間がかかったとしても「今はもういらない」と捨てる判断ができます。 問題なのは、「どのくらい」「何が」あるのかがわからないアイテムです。 このようなやっかいなモノたちを、みなさん「こまごましたモノ」と表現します。いわゆる雑貨類のことです。 家にあるものを伺っても、「食器棚と洋服ダンスと子どものおもちゃと…あとこまごま」といった具合で、「その他もろもろ」となんとなく把握している感じです。 この正体不明の「こまごま」をやっつけることが、捨てるコツであり、片づけを成功させる秘訣でもあります。 「こまごま」したものは、存在意義が曖昧です。なんでそこにあるのかわからない。いつかは使う気がするけれど必ず使うのかというとわからない。なんなら誰が買ってきたのか、持ってきたのかも謎…。モノが多くてごちゃごちゃしているとお悩みのお宅には、こうした「こまごま」がたくさんあります。 「こまごま」は、一つひとつはその名のとおり小さかったりします。ボールペン1本処分したとて、部屋はきれいになりません。それゆえに、「こまごま」は見逃されがちです。1本では大したことがないかもしれませんが、僕たちが片づけをしたお宅では、ボールペンだけでも40本50本出てくるのがあたりまえです。使っていないのでインクも出ない。明らかに今はいらないモノです。 大量のボールペンがあるお宅には、メモや手帳、ノート、クリアファイル、クリップ類なども大量にあります。不思議なことに「こまごま」は芋づる式に発掘されます。こうした「こまごま」を徹底的に処分していくと、驚くほどお部屋はすっきりします。 1日3分でも5分でもいいので、ご自身の目の前のスペースにある「こまごま」を手放してみましょう。「なんでここにあるんだ?」と思ったらゴミ袋へ。考えずに「こまごま」を一気に袋に入れていくのです。これだけで目の前の空間はかなりすっきりします。 捨てるのが苦手という人は、スマホのカメラで目の前の机やテーブルの上を撮影し、写真の編集機能を使って「謎アイテム」に指で◯をつけてみてください。写真で見たほうが客観的に判断ができるからです。そして、○をつけたものをゴミ袋にいったん入れます。こうして「こまごま」から解放された目の前の空間を味わってみてください。 服や本などは減らしましょうとアドバイスされる方はいると思いますが、「雑貨をやっつけましょう」という人はあまりいないようで、いつも驚かれます。依頼者さんの「こまごま」という言葉や、片づけの現場で印象に残った場面から、僕は「こまごましたモノ」の存在について時々お話しするようにしています。 僕の話を聞いてから「ストレス解消になる」と毎日1分、コンビニの小さな袋1枚分の「こまごま」を捨てている方がいます。「気合を入れずにすぐできるのに、達成感がすごい」とのこと。みなさんもぜひやってみてください。
二見文直