佐賀玉屋の本館が59年の歴史に幕 建て替えへ 8月24日に南館と東別館で再開
佐賀県内唯一の百貨店「佐賀玉屋」の本館が18日、閉館し、59年の歴史に幕を下ろした。本館機能は南館と、中央大通り沿いに増設した東別館に移転する。そのための“引っ越し”で臨時休業に入り、24日にリニューアルオープンする。老朽化した建物は取り壊し、2026年中に新しい本館を開業する計画だ。 閉館日、思い出が残るデパートを最後に一目見ようと、多くの買い物客が足を運び、各階がにぎわった。県民への感謝イベントでは案内係員の制服や創業当時の屋根瓦、佐賀新聞の過去記事を展示。59年にわたり愛されてきた本館の歴史を振り返った。 客は購入した弁当やスイーツを飲食ブースで頰張っていた。神埼市の向井秀治さん(42)は「子どもの頃、屋上の遊園地に連れて行ってもらうのが楽しみだった」と振り返った。4歳の孫と来場した佐賀市の石丸勝さん(82)は「最後に孫と一緒に遊びたくて来た。思い出の場所がなくなるのは寂しいが、ホテルができれば、観光客も増えるだろう」と期待を込めた。 経営を引き継いだ不動産会社「さくら」(京都市)は26年中に10階建ての新本館ビルを開業する計画。1~4階は百貨店やイベント開催スペースとし、5階から上はホテルを設ける。 新本館建設期間は、中央大通り沿いに新たに東別館を設置し、本館地下の菓子店や商品券売り場を移す。本館ビルは8月下旬から解体工事に向けた作業に入る。(福本真理、樋口絢乃)
福本真理,樋口絢乃