本田圭佑の大叔父が「引退しても監督として将来のW杯優勝へ貢献せよ」と檄
今大会の本田の活躍を大叔父は、こう見ていた。 「しっかりと機を見て圭佑を試合途中から起用してきた西野監督が立派。もうスタメンから出て90分間プレーするエンジンは圭佑にはない。スポーツの世界には新旧交代が必要だ。圭佑を超えていく次の圭佑が出てこないことには日本は強くならない。私はサッカーの専門家ではないが、西野監督は勝負どころを知っていた。ボールゲームには、スタート、ミドル、フィニッシュと3つのポイントがある。そこを見極め、圭佑のプライド、その特徴を知った上で、どこで投入することが最も効果があるかを西野監督はわかっていた」 コロンビア戦は1-1で迎えた後半25分に投入されると、絶妙のコーナーキックで、大迫の勝ち越しヘッドをアシストした。セネガル戦では後半26分から投入されて、2-2の同点ゴールを左足で決めた。ポーランド戦では出番がなかったが、決勝トーナメント1回戦のベルギー戦では、2-2の同点にされた後半36分からピッチに立ち、「あわや」の無回転FKでベルギーを脅かした。その存在感と本田の勝負強さは健在だった。 大三郎さんは言う。 「運よくというか、悪運強くというか、ね。ただプロとして呼ばれれば、いつでも、どこでも、仕事のできる準備、努力を普段からしてきたということ。オランダへ渡り、土が凍るようなロシアでプレーし、小さいころからの目標だったイタリアで背番号10を背負い、空気の薄いメキシコで走り回ってきた。好奇心と探究心を抱き、人がやらない場所で人がやらない努力を続け、得てきたものがある。駆け引きや、ずるさ。努力をしていない人間には、運も何も語れない。そして待ちに待った出番がくれば、そこで全力を出し、やってのける。それが本田家の血筋」 2014年の春に祖父の満さんが他界され、その供養で顔を合わせて以来、本田選手との連絡は取っていないという。それでも、先の大阪地震があった際、摂津に在住の義理の姉を心配になり、本田の父である司さんに連絡を入れ、無事と被害がなかったことを確認して安心した。 「逆境での強さ」、“持っている”と言われる「勝負強さ」」が本田家のDNAと言われているが、本田家には、こんな家訓がある。 大三郎さんの母、つまり本田圭佑のひいばあちゃんにあるタキさんは、「人間、一生過ごして身の自慢だから」が口癖だった。 大叔父は、「一生努力を続けてこその人生だという意味のことを言っていたのでしょう」と、その意味を語る。最後の最後まであきらめず、例え、どんなサブの状況であっても努力を続けることーー。本田が今回のW杯で、スーパーサブとして輝きを見せた姿と、その裏にある努力と決意は、まさに脈々と受け継がれてきた本田家のDNAだった。