西武・佐藤龍世 チームのために「ポジション争いをしたくない」/契約更改、覚悟の誓い
伝わり方によっては、まったく違った解釈をされかねないリスクを覚悟しながらも佐藤龍世は契約更改で言葉を選びながらきっぱりと言った。 【選手データ】佐藤龍世 プロフィール・通算成績 「トノさん(外崎修汰)とはポジション争いをしたくないので、来年は外野で勝負しようかなと思っています」 49勝91敗3分けで最下位という成績を受け、来季は首脳陣が刷新。西口文也新監督が指揮を執ることとなったが、まず出てきた大きな“色”が、二塁手で2度のゴールデン・グラブを受賞している外崎の三塁へのコンバートだ。秋季キャンプで徹底的に三塁の特訓をしたことで、その方針が明らかになったが、ケガのため不参加となった佐藤龍は報道でその情報を把握。今季三塁手として最多出場の立場としては静観できるはずもない。それでも冷静に状況を把握した上での現時点での考えを口にした。 「トノさんが三塁で出るから『龍世はベンチ』とは今のチーム状況では正直、考えられない。なら、自分が外野も守れるようにしておけばいいのかなと」 事実、すでに外野用のグラブも発注済みだ。ただ、今季の成績を見れば規定打席に達した源田壮亮、外崎に次いで内野手最多出場選手であり、規定打席には達していないが打率も外崎を上回る.244をマーク。戦力的に見ても佐藤龍の主張は至極真っ当。決して「トノさんには勝てないから外野に行く」という消極的な発言ではない。むしろ、「チームが勝つためにはトノさんと僕、両方を戦力として併用すべき」という非常に現実的な主張なのだ。 発言した以上、使わざるを得ない選手でなければならない。来季7年目にして初めてウエート・トレーニングを導入。必ずや定位置を手に入れてみせる。 写真=BBM
週刊ベースボール