昭和の子どもや農村写す 飯田市公民館で熊谷元一写真展 24日まで【長野県】
会地村(現長野県阿智村)出身の写真家故・熊谷元一さんの作品を並べた「もっと知ってほしい 熊谷元一写真展」が24日まで、長野県飯田市東和町の市公民館で開かれている。昭和30年代前後に撮影した31点を展示。教員時代に撮影した教え子、養蚕や稲作に励む村民らの様子を写している。 阿智村や「農村記録写真の村・熊谷元一写真あり方検討委員会」らでつくる実行委員会が主催。同委によると、市内で一般向けに写真展を開くのは1981(昭和56)年10月以来43年ぶりという。保存や継承に力を注ぐ中、「まずは飯田市など近隣地域で開催し、特に若い人に知ってもらいたい」として企画した。26~4月7日は阿智村コミュニティ館ホールでも開く。 熊谷さんが岩波書店から出版した写真集『かいこの村』(1953年)、『農村の婦人』(54年)、『一年生』(55年)の中から、実行委が選んで展示した。計算機を使っておはじきを並べて笑顔で両手を挙げる児童や、農作業の合間の休憩風景など多彩な作品を並べた。 実行委員の林茂伸さん(68)は「作品からは元気や不思議な力をもらえる。当時を生きていた人たちの姿は、今を生きるわたしたちにつながっているはず」とし、来場を呼び掛けている。 無料。午前9時半~午後5時(22日は同8時まで)。17日午後1時半~4時は、フォーラム「元一写真の魅力を探る」を同館2階で開く。講師は静岡大学教育学部の矢野敬一教授と国学院大学兼任講師の櫻井弘人さんが務める。無料。申し込み不要。