KNOWER(ノウワー)のルイス・コール&ジェネヴィーヴ・アルターディが語る「ジャズ」と「ポップ・ソング」の関係――「ジャズは古い音楽である必要はない」
ルイス:そう、アルバムそのものをライブ・バンドでレコーディングしたから、それをライブに移行することはこれまでよりもスムーズだった。でも一概に全てがスムーズになったわけじゃない。当然、難しいところもあったし、ライブをやることは常に挑戦なんだ。ただ「KNOWER FOREVER」はライブの時に劇的に変える必要がなかったから、基本的にはレコーディングした通りにライブでも演奏することができたかな。
ジェネヴィーヴ:そうね。
――新作の収録曲を中心に、過去アルバムの曲も演奏されていましたが、セットリストはあらかじめ決めていたのでしょうか? それともその場でやることを決めた曲もありましたか?
ルイス:セットリストは決めている。紙にプリントして置いていたわけじゃないけど、スマホに入れたのを見てたんだ。
――ライブではメトロノームを鳴らしていて、ジェネヴィーヴさんはヘッドセットを装着していましたね。演奏はクリックを聴きながら合わせていたのですか?
ジェネヴィーヴ:いや、私はクリックを聴いていたんじゃなくて、ヘッドセットを通して自分の声を聴いていたの。モニターから聴くと音量が大きくなりすぎてしまうから。で、どの曲も短いので、少しでも遅れると曲自体が台無しになる。だから遅れないよう正確に歌わなければいけなくて、自分の声を耳の中でじっくり聴きながら歌ってた。クリックは聴いてなかったけど、私にとってはバンド自体がメトロノームみたいな存在だった。とてもタイトな演奏をする人たちだから、リズムを完璧に保っていてくれたと思う。
ルイス:実は僕もメトロノームは聴いていなかったんだ。それよりもバンドが正しいスピードを保つことの方が僕の中では非常に大事で。そうでないと、演奏がノッてきて少しでも違うアレンジをしたら全てがおかしなことになってしまう。もし僕が速すぎたらみんなに迷惑がかかるからね(笑)。だから正しいスピードに設定したメトロノームを鳴らしてカウントオフしてから曲を始めていたんだ。