「オオカミの家」監督陣による新作長編、ひろしまアニメーションシーズンで日本初上映
「オオカミの家」を手がけたデュオ、クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャによる新作長編「ハイパーボリア人(英題:The Hyperboreans)」が、「ひろしまアニメーションシーズン2024(HAS)」で日本プレミア上映されることが明らかに。また、「ルックバック」の監督・押山清高が同映画祭に参加することもわかった。 【画像】「みんなのうた」のアニメーションを手がけてきた南家こうじによる感謝のコメント HASは、2022年に始まったひろしま国際平和文化祭のメディア芸術部門の事業として、環太平洋・アジア地域を中心に全世界のアニメーションを紹介する国際映画祭。世界4大アニメーション映画祭の1つとして知られ、2020年に終了した広島国際アニメーションフェスティバルが新たな装いで生まれ変わった形だ。隔年の開催で、今回が2回目となる。 第77回カンヌ映画祭の監督週間で上映された「ハイパーボリア人」は、本映画祭のオープニング作品に決定。実写やコマ撮りなどさまざまな手法を活用した本作では、1人の女優の“演技”を通し、チリの暗部に潜むナチスドイツの影を探る。共同監督のレオンとコシーニャもグロテスクな人形として出演した。上映時には、審査員として来日するコシーニャがポストトークに登壇する予定だ。なお本作は、ザジフィルムズの配給で2025年に日本公開される。 押山は、同映画祭に併設されたシンポジウムなどを行うネットワーキング型アカデミープログラム「ひろしまアニメーションアカデミー&ミーティング(HAM)」に参加。トークイベントでは、ほとんどの作画を押山自ら担当したという「ルックバック」の制作秘話や、これまでのキャリアについて語る。また、日仏国際共同製作作品「A NEW DAWN(英題)」で原作・脚本・監督を担う日本画家・アニメーション作家の四宮義俊が来場することも決定。「君の名は。」の回想シーンの演出について話すほか、「A NEW DAWN」の“特殊”シーンに色を乗せる特別ワークショップの開催も明らかになった。さらにHAMでは、「税」「著作権」「テック」「メンタルヘルス」「アンチ・ハラスメント」という5つのテーマを学べる“夏期講習”プログラムも用意されている。 このたび、短編作品を集めたオムニバスのプログラムについても、全上映作品が発表された。フレデリック・バックの監督作「木を植えた男」の4Kリマスター版がラインナップに並んだほか、南家こうじ特集では、彼がNHKの音楽番組「みんなのうた」で手がけた9本のアニメーション作品が公開される。南家は特集の開催にあたって「小さくて『ささいなもの』 たしかに描けなくとも、『…な かんじのもの』 そしてそれらが小気味よく動いてほしい。そう想ってアニメーションに関わってきました」「『ささいなアニメーター』に長い間、仕事をさせて下さったことに、感謝しています」とコメントを寄せた。 「ひろしまアニメーションシーズン2024」は8月14日から18日にかけて広島・JMSアステールプラザ、横川シネマで開催。チケットは各種プレイガイドで販売中だ。なお7月29日には、HAS・HAMの開催を記念して新千歳空港国際アニメーション映画祭、新潟国際アニメーション映画祭、HASのプロデューサーが登場するオンライントークイベントがYouTubeで配信される。詳細は映画祭の公式サイトで確認を。