留学先で体重8キロ増……ついたあだ名は「瀬古の丸」 瀬古利彦 マラソン人生を振り返る
■留学先のストレスで体重8キロ増 ついたあだ名は「瀬古の丸」
大学の受験対策のために、アメリカへ留学した瀬古。ところが…… 瀬古:アメリカで、一人ぼっちじゃないですか。ストレスも溜まる。ホームシックになっちゃったんですよ。そしたら、走るのもうまくいかないし、勉強もうまくいかない。英語なんて全然わからない。ストレスが溜まって、それを発散するために、食べまくっちゃった。ジャンクフードとか、ステーキとかコーラとか。すると、8キロを太っちゃった。当時、まんまる太って、あだ名は“瀬古の海”。こんな生活してたらダメだ、早く早稲田に入って、誰かにマラソンを教えてもらいたいとずっと思いながら、いつも泣いてました。
■“自分を殴って、砂を食べる”指導者に惚れ込んだ
その後、浪人生活を経て、早稲田大学に見事、合格した瀬古。そこで、人生を変える恩師に出会う。箱根駅伝で、“早稲田のカリスマ”と呼ばれる、指導者・中村清だ。 瀬古:僕が入った頃の早稲田は、箱根駅伝にも出られない。予選落ちしているような体たらく。入部して、初めての合宿で、中村監督が急に部員15人の前で仁王立ちになって、「こんな弱い早稲田にしたのはお前たち学生のせいじゃない。子供のせいじゃない。大人が悪いから、私がOBとして謝らせてくれ」と。そして、自分で自分の頬を、平手でバンバン10発、鼻と口から血が出るほど、強く叩いたんです。僕は、「こんな人がいるんだ」と思って。アメリカにいた頃、「誰かにマラソンを教えてもらいたい」って思った人はこの人かもしれないと思ったんですよ。 瀬古:すると中村監督が、僕に向かって「お前、アメリカで苦労したらしいな。私が命かけて教えてやるから。お前を復活させてやるから。私の言うこと聞けるか?」と言って、急に合宿所近くの海岸の砂を持ってきて、「この砂が世界一になれる薬だったら、お前食べれるか?」というんです。すると監督は、砂を食べちゃったんです。それを見て、「ああ、この人すごいな」と思って。教えてもらおうと思ったんですね。 この番組は、radikoのタイムフリー機能で、放送1週間後まで聴くことができる。
【番組概要】 ■番組タイトル:ニッポン放送開局70周年記念『NEXT STAGEへの提言Ⅱ』 ■放送日時:毎週木曜日 20時~21時 ■出演者:毎週週替わり