【#みんなのギモン】「間違いなく殺される…」改正入管法が成立 外国人と入管それぞれの思いは?
■心に深い傷
「今はそうした実態調査もほとんど行われなくなっているようです。外に出る余裕もないほど職員らが疲弊しているからです」「入国審査官は公務員の事務職として入ってきます。空港でパスポートに判を押す仕事のイメージで入ってきた若い職員達が、突然、心に傷を抱えた外国人などと毎日向き合うことになるんです。毎日です、 職員達の心だって深い傷を負います」「先輩からアドバイスをもらい心をリセットする機会もありません。 それぞれが自分のことで精一杯だからです」 審査の結果、難民として認定されるのはごくわずか。送還されるのを拒み、何回も申請を繰り返すケースが指摘されています。 「本人に出頭を求めて難民認定の不許可を伝えると、その翌日、すぐにまた申請してくるんですから」「不毛というか…職員の中には精神的に困憊して長期休暇を取る人もいますし、辞めていく人も多いです」 改正入管法では、3回目以降の申請者は「相当の理由」が示されなければ送還の対象となることを柱としていますが、送還されれば命がないと訴える人もいます。 ミャンマー出身でロヒンギャのミョーチョーチョーさん(37)はこう話します。「私は3回目の難民申請中です。過去2回は理由も示されずただ不許可だと告げられました。この先は強制送還されるのではないかと不安でいっぱいです。クーデターで軍事政権になっているさなかに送還されれば、民主化運動を行ってきた私は間違いなく殺されます」
■見えない認定のプロセス
日本では難民申請の認定要件が厳しく、認定のプロセスも不透明だとの指摘は根強くあり、入管庁は透明化をはかっています。 また、難民申請の審査官には、長年の経験や知識、申請者本人とやりとりをする高いスキルが求められるのに必ずしも伴っていないとの指摘もあります。 難民認定が、十分な水準を持った審査官らによって行われることも求められています。