国際結婚した仙台の夫妻が、誰もが言葉や文化、国籍の違いを超え、当たり前に一緒に生きていける社会を作りたいと奮闘しています。宮城県内では今、こうした国際交流を進める動きが広がりを見せています。 ９月２８日。国分町のバーに世代も国籍も異なる人たちが集まりました。参加した女性は…。 参加した女性 「英語で話す機会が欲しいなと思いました。日本にいると、あんまりそういう機会がないので、少しでもそういう機会があったらいいなと思って」 岡田クリスさん（主催者） 「ここはなんでもいいです。英語、日本語ドントウォーリー、飲みにケーションね」 英語を学びたい人、日本語を学びたい人、そうした目的がなくても、誰でも気軽に参加できる国際交流イベントです。今、県内でこうした国際交流の場が広がっています。 ９月はじめ、仙台市青葉区の河川敷には、ＢＢＱイベントを楽しむ人々の姿がありました。 「イタリア出身です（アイムフロムイタリー）」 「南アフリカ出身です（アイムフロムサウスアフリカ」 「好きな食べ物はアッポー（りんご）です」 外国語の実践の場にと考える参加者もいますが、外国語を話せなくても、楽しめればそれでいいという気軽で自由な集まりです。 参加した人 「英語は全然喋れなくて、学校の授業以外にも話す機会がほしいなと思って参加した」 主催した英会話ＢＥＹＯＮＤ　Mark　Zolotarさん 「イベントで、習った英語を自然に使う、別に日本語も全然話していい、ルールがないから大丈夫。みんな楽しめばいい、それが一番」 参加していた岡田さん夫妻は、国際結婚のカップルです。この日はイベントの「参加者」ですが…４週間後に自分たちで主催する交流イベントを控え、その勉強もかねて参加していました。 「広報用に動画撮影もー」 岡田奈々さん 「私たちが参加して勉強するならビデオで、皆さんにもこういうもの（交流）があるんだよとお伝えできればいいなと思って撮っている」 岡田クリスさん 「交流イベントはちょー面白い。この気持ちは“自由”。誰でも話す、なんでも食べる。日本だけじゃない世界の国の人と一緒に習いました。わいわいしたい」 石巻市出身の岡田奈々さんとアメリカ出身のクリスさん。２人が、国際交流のイベントを主催しようと考えたわけは…。 岡田奈々さん 「みんな友達になって、お互いの国の理解を深め合ってもらえば“差別や偏見”がなくなると思うので、話せる機会をもっと作っていけたら良いと思う」 “差別や偏見”。 それは、クリスさんが日本で実際に経験したことです。 岡田クリスさん 「普通の日、どこでも散歩する。これ聞きます『ヘイヘイクールガイ！アイムクレイジーボーイ』。それは少し好きじゃない」 クリスさんを見た目で判断し、あまり意味のない言葉を投げかけてくる人に困惑したと言います。 宮城県内で暮らす外国籍の人は、ほとんど自治体で年々増えています。 岡田さん夫妻は様々な国の人々がともに暮らす環境を当たり前にするために、それぞれの人脈を活かし国際交流を広げたいと考えています。 「お子さん連れウェルカムです。どんどん申し込んでください！」 参加の呼びかけは全てＳＮＳで行ないました。人は集まるのか、どうすれば交流を深められるのか、手探りで準備を進めました。 「３，２，１，乾杯～」 およそ３０人、様々な国籍の人たちが集まりました。 イベントを盛り上げようと、準備してきたものがあります。 岡田奈々さん 「これはキャラクターを一人ずつ引いて、それを説明して、どんなキャラクターかを、みんなに当ててもらう英語で説明してみよう、みたいなゲーム」 カードゲーム実施中…。 「アムアイポピュラーインジャパン？」 「レッドハット？」 「いぇあ」 「マリオ？」 「イェス！」 このカードゲームは夫妻が寝る間も惜しんで直前まで準備を続けたといいます。参加者はほとんどが初対面ですが、ゲームで笑いあって打ち解け自然に会話も弾みます。 岡田奈々さん 「すごい思っていたよりも、みなさんすごく楽しんでくれて、緊張してたけど、逆に私の方が楽しくなっちゃって…」 参加者 「英語は得意じゃないですけど、日々精進しております。こういう場は貴重でありがたい場だと思ってます」 参加した外国人 「楽しい楽しい、色んな人いますので、色んな経験できますので、楽しい楽しい」 岡田さん夫妻がイベントを手掛けたのは、今回が初めてでしたが、試行錯誤の甲斐あって大成功となりました。 岡田クリスさん 「温泉みたいな気持ち、ぼくの筋肉リラックスして、超気持ちいいです。だから元気です。超超嬉しい」 岡田奈々さん 「今回は初めて企画したイベントなので、まだ知名度もないっていうのもあるんですけど、今後もっとまたＳＮＳを使って、たくさんの人に集まってもらえるイベントを企画して、もっともっと英語と日本語を使ってコミュニケーション取れる場を作っていきたい」 「国籍を越えて、心が繋がる社会へ」。 確かな目的地を胸に、次なる交流への期待が膨らみます。