円債発行ハイピッチ、HSBC含む26社が準備-金利急騰懸念和らぐ
(ブルームバーグ): 円建て債の発行が活況を呈している。日本銀行の金融政策決定会合を終えて金利のボラティリティーが低下したことが追い風になっており、2024年度の発行額は過去最高を更新する勢いだ。
ブルームバーグのまとめでは、19日時点でみずほフィナンシャルグループや積水ハウスなど26社が社債もしくはサムライ債の発行を計画している。昨年の同日時点で起債を準備していた12社と比べて2倍強。このうち14日の日銀会合後に明らかになった案件は香港上海銀行など15社に上る。
日銀が先週、国債買い入れの減額を実質先送りしたことで短期的な金利先高観が和らぎ、社債の投資家にとって安心材料となっている。長い目で見た金利上昇の方向感に投資家の買い意欲が加わり、企業の前倒し起債が加速している形だ。
大和証券デット・キャピタルマーケット第3部の大津大副部長は「6月の会合で日銀の国債買い入れ減額は比較的長期の時間軸を見据えたものだと分かり、市場のボラティリティーへの警戒感が薄れて起債しやすい環境になった」と話す。
ブルームバーグのデータによると、24年度の国内社債とサムライ債を合わせた円債発行額は現時点で約5兆1700億円。前年同時点の約4兆2800億円を1兆円近く上回り、この期間としては過去最高を更新している。
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Takahiko Hyuga