マリホ水族館閉館まで残り4カ月、生き物たちはどうなるの?
12月1日に閉館する広島市西区の商業施設マリーナホップ内にある「マリホ水族館」。市内唯一の水族館として瀬戸内海などの身近な生き物約150種類計約5千匹を展示し、親しまれてきた。オープン8年目でまだ新しい建物は、商業施設と共に解体される。生き物は一体どうなるのだろう。 【写真多数】マリホ水族館閉館まで残り4カ月、生き物たちはどうなるの? 「できれば最後まで面倒を見たかったのですが…」。同館の宇井賢二郎館長(47)は話す。県有地の賃貸借契約終了に伴う閉館が決まり、今春から生き物たちの受け入れをしまね海洋館アクアス(島根県浜田、江津市)など近隣の水族館に依頼してきた。 青く輝くサンゴ礁の海をイメージしたメインの「ラグーン水槽」や天然記念物ゴギの展示などがある。交流サイト(SNS)のXでの発信に力を入れており、今年1月に誰もいないダイバーショーの写真をポストすると、5・8万のいいねが付いた。その影響もあってフォロワーは1万7千人と、県外の注目も高い。現在、どの魚をどこに引き取ってもらうかを決める段階で、めどは立ちつつあるという。 マリホ最寄りの宮島水族館(広島県廿日市市)は、残った生き物を全て受け入れる方針だ。約380種計約1万5千点を展示しており、大半の種類が重なる上、水槽の余裕もあるため外来の淡水魚などを除いて受け入れが可能という。市宮島水族館経営課の沖幸祐さん(55)は「しっかり預かり、大切に育てたい」と話す。 生き物の「引っ越し」について、福山大(同県福山市)の真田誠至准教授(水族館論)は「事前の輸送計画と、その後の観察をすれば大丈夫」と説明する。輸送時のふんや吐き戻しを防ぐため数日前からえさを与えない▽今までの水質などとの差を踏まえ徐々に慣れさせる―などの対策が考えられるという。 宮島水族館は一定期間はバックヤードで育て、病気の有無を確認後に一緒の水槽に移して展示する予定だ。マリホには約50個の水槽があり、建物と一体化している4個以外は動かせるため、生き物と一緒に譲ることもできるという。
中国新聞社