日本の温暖化対策は58位、石炭火発が理由…COP29で環境団体が報告書
【バクー=天沢正裕】ドイツの環境調査研究機関「ジャーマンウォッチ」などは20日、アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で、各国の地球温暖化対策を順位付けした報告書を公表した。日本は67位中の58位で、昨年と同じだった。先進7か国(G7)の中で唯一、石炭火力発電の廃止期限を明確に示していないことなどを理由に低い評価となった。
同機関などが、温室効果ガス排出量の多い国や地域について、排出量やエネルギー使用量、再生可能エネルギーの割合や関連する政策など14の指標で分析した。COPにあわせて毎年公表している。
日本に対しては、石油や石炭を使った発電の段階的廃止や、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを拡大する計画策定に取り組むよう求めた。
報告書では、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の達成に向けて十分な対策を行っている国はないとして、1~3位は「該当なし」とした。事実上のトップとなる4位はデンマークで、2045年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標が評価された。国別排出量が最も多い中国は55位、2番目の米国は57位だった。