世界の“冬の都市”が一堂に 34年ぶり札幌市で「市長会議」(上)
【北海道・札幌】1982(昭和57)年に札幌市で開催された第1回「世界冬の都市市長会議」。それ以降、2年に1度開催され、17回目となる今年は34年ぶりに札幌に帰ってきました。7月27日から29日の3日間、札幌市コンベンションセンター(札幌市白石区)に世界32都市が集まり、雪が多く寒冷な都市ならではの観光政策やまちづくりなどについて意見交換しました。
札幌は冬スポーツの国際大会と都市整備について発表
同会議は、当初は冬の生活課題の克服などを主なテーマとしてきましたが、最近では冬の都市における地球環境問題の解決などにも注力しています。この会議のために札幌に集まった会員都市は札幌を含め15都市(中国6・韓国3・日本2・カナダ1・モンゴル1・ロシア1)。そのほかオブザーバーとして17都市(日本13・ロシア3・デンマーク1)も参加しました。
初日となった27日の大きなテーマは「会員都市による事例紹介」。ホスト市である札幌からスタートし、全7市がそれぞれの都市の事例を発表しました。
■札幌(日本)
「札幌市と冬季オリンピック・パラリンピック 「つくる」から「つながる」へ」
発表は秋元克広・札幌市長。冬季オリンピックは、冬の都市が開催できる世界最大のイベントなので、冬季スポーツの振興や世界平和への貢献のほか、地域の活性化にもつながる。札幌は1972(昭和47)年に冬季五輪を開催したが、当時建設した選手村は今もUR団地として活用され、地下鉄・地下街・高速道路・千歳空港の整備など札幌の発展に寄与した。 五輪以降、冬季アジア大会やスキージャンプワールドカップなど国際スポーツイベントの招致も行っている。今は2026年の冬季五輪・パラリンピックの招致を目指している。これは1972年のオリンピックで得たものを活用しながら、「つながる」イベントにしていきたいと考えている。アジアでは2018年に韓国・平昌、2022年に中国・北京で冬季オリンピックが続けて開催されることから、ウィンタースポーツ人口の増加を地方創生の起爆剤にしたい。 また、これまでの実績上、五輪・パラリンピック開催後はインバウンド需要が増えるため、観光客数の増加にもつなげていく。このように、スポーツを通じて冬の都市ならではの特性を生かしたまちづくりを進めていく。