田中瞳アナ、発散方法は「“1人”パーティー」 自身が出演する番組は全部見るほどストイックなアナウンサーの原動力
さまぁ~ずの2人に学ぶ、アットホームな番組のつくり方
――入社1年目から「モヤさま」の4代目アシスタントとして活躍している田中さんですが、さまぁ~ずさんとの仕事を通じて、どのような学びがありますか? 本当にたくさんありますし、さまぁ~ずさんとの仕事はすべてが学びにつながっているのですが、一番は「スタッフとの接し方」ですね。 たとえば「モヤさま」では、ADさんやディレクターさん、カメラマンさん、音声さんなど、本当にたくさんの人がロケに参加しているんですよ。 そうした状況で、最初のころの私は、どうやって皆さんと接したらいいのか全然わからなくて。そもそも「この方は何を担当されているのだろう……?」みたいな。 でも、さまぁ~ずさんの場合、初めて現場に参加したADさんとかにも絶対に気付いて声をかけるんです。「あれ、キミいたっけ? 名前は?」みたいな。番組の打ち上げなどでも、そういう方々と優先的に喋りたいという気持ちが強いようで。 スタッフの皆さんと、隈なく会話して、コミュニケーションを取る。「支えてもらっている」という意識があるからこそ、三村(マサカズ)さんも大竹(一樹)さんもそう接しているわけですよね。そうしたお二人の姿勢は、本当に勉強になります。 ――エッセイ内の鼎談で、さまぁ~ずさんが「田中の売りは思い切りのよさ」と指摘していましたね。 もともとそういう部分があるのかもしれませんが、「せっかくカメラが自分に向いているんだから、何かしなきゃ!」と思ってしまうんですよ。 特に「モヤさま」は収録ですが、生放送みたいなものなんです。街の方々とのやりとりは、瞬間的にしか生まれない奇跡のようなもので。 ポンポンと気持ちのいいスピード感を止めたくなくて、「どうしよう~!」と考えている余裕はないんです。 そうやって絞り出されたものが、たまたまアレなだけで(笑)。だから、思い切りがいいも何も、特に何も考えていないんですよ。
日々のストレスは「1人パーティー」で発散
――今、プライベートで熱中していることはありますか? 最近は旧型のデジタルカメラを持って、出先でパシャパシャ写真を撮っています。 以前はフィルムカメラを持ち歩いていたのですが、先日秋葉原のカメラ店でおじいちゃん店主にいろいろ説明してもらい、おすすめされた古いデジカメをそのまま買いまして。今では基本的にカバンに入れて、いつでも撮れるようにしています。 ――田中さんは、普段どうやってストレスを解消しているのでしょうか? 「1人でご飯を食べに行く」ですね。自分だけが食べたいもの・飲みたいものを注文する……“1人パーティー”みたいな(笑)。私にとってはそれがすごく贅沢な時間で、満たされていると感じます。 ――今後、どんなアナウンサーになりたいですか? 視聴者の皆さんから見える仕事・見えない仕事がありますが、1つ1つ絶対に手を抜かないでやっていきたいです。 そうすることで、テレ東では多様な領域の番組を担当できる、ということを体現していきたい。 それと、「このジャンルは、田中だとあんまりなんだよね」と言われることなく、どんな内容でも安心して任せてもらえるようなアナウンサーになりたいと思っています。 ――今回のエッセイは、日常に生きづらさを感じている方々がホッと息をつけるような内容にもなっていると思います。そうした同世代の方々に対して、田中さんがアドバイスを送るなら? 私からアドバイスなんて、とんでもないですよ。でも、葛藤している人が自分以外にもいるとわかるだけでも、きっと安心できる部分があると思います。 なので……ぜひエッセイを買って読んでいただく、ということで(笑)。 ――(一同笑) きっと「この人、何言っているんだろう」とか、「なんだか楽しそうに働いているな」とか、いろんな感想があると思います。 でも、このエッセイに載っていることが私のすべてだと思って、受け止めていただきたいですね。皆さんからどんな感想が聞けるのか、今から楽しみです。 取材・文/毛内達大 撮影/恵原祐二
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