バークレイズ、アジアで米銀からシェア奪っている-日本マネーも寄与
(ブルームバーグ): 英銀バークレイズは、アジアで一部の米国のライバルから市場シェアを奪っていると指摘した。同行はさまざまな事業ラインラインの構築を加速させるため、ここ1年間に上級セールス・トレーディング担当者11人を採用している。
これら新規採用者には、ゴールドマン・サックス・グループやシティグループなど競合から採用された、通貨と金利を取引するマクロ部門のディレクター6人が含まれる。アジア太平洋マーケッツ責任者ホセイン・ザイミ氏は香港からのインタビューで、株式デリバティブ(金融派生商品)、プライベートクレジット、ディストレスト債務業務担当のマネジングディレクター2人も採用したと述べた。
新規採用も寄与し、アジアのグローバルマーケッツ部門の収入は昨年に2.5%、マクロ・株式部門は4%それぞれ増加したと、同行のアジアの数字が非公開だとして事情に詳しい関係者1人が匿名を条件に明らかにした。届け出によると、世界のマーケッツ事業全体では18%減収となっている。
ザイミ氏は「アジアの顧客の大半は分散を求めているため、米国以外の銀行との取引を増やしたいと考えている」とし、「同時に、彼らは米銀と同じくらい優秀な銀行を必要としている」と語った。
バークレイズはアジアで成長軌道に乗っており、マーケッツ部門の収入は2023年に3年連続で過去最高を記録した。同行のアジア事業がマーケッツ部門全体に占める割合は、今やウォール街の大手ライバルに匹敵する水準になっていると、ザイミ氏は数字を示さずに述べた。
バークレイズはまた、日本マネーの米国への流入からも恩恵を得ている。これらの資金は、米財務省短期証券(TB)や金利スワップ、住宅ローン担保証券(MBS)、株式に投資されている。また、米国の顧客によるアジアへの投資意欲も旺盛だとし、特に同行が強力なプレゼンスを持つインド、日本、オーストラリアが好調だと同氏は述べた。