善光寺が色鮮やか5色の光に変化 長野灯明まつりが開幕
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善光寺(長野市)の国宝・本堂などを5色の光で彩り平和を祈る「長野灯明まつり」が6日から始まり、県内外からの人出でにぎわいました。リオデジャネイロ五輪・パラリンピック出場予定の選手らによるトークや点灯式、コンサートなど多彩なイベントがスタート。善光寺参道に置かれた多数の切り絵灯籠が幻想的な冬の夜を演出し、近づく春への思いを広げていました。灯明まつりは14日まで行われます。
●五輪にちなんだ色でライトアップ
午後6時から善光寺山門で行われた点灯式では、リオ五輪の駐日ブラジル大使もメッセージを寄せ、ポルトガル語と英語、日本語で「平和」の文字を点灯。世界的な照明デザイナー、石井幹子(いしい・もとこ)さんによるライトアップで赤い光が善光寺本堂を彩ると、大きな歓声が沸きました。本堂のライトアップは毎正時と毎30分に赤、青、紫など五輪にちなんだ5色で変化させながら午後9時まで連日行われます。
来賓で会場を訪れた石井さんは「今回、LEDを使って3分間の間に5色の変化を演出できたので、以前より頻繁に毎正時と毎30分ごとに観賞することができるようになりました。来場の皆さんも喜んで写真を撮っていただいているので、大変うれしいです」と話していました。
長野市では灯明まつりを経て春を迎えることになり、来場者も明るい表情。長野県内の飯田市から来た公務員の男性(29)と妻(25)の新婚夫婦は「昨年12月に結婚したばかりですが、仕事の都合で妻は松本にいます。春になったら飯田で共に暮らす新居を構える予定。家具をそろえるなどこれからが楽しみです」と笑顔を見せていました。また長野市の主婦(52)は「娘が今春結婚するんです。この光のイベントに来て、いっそううれしい気持ちになりました」と話していました。
表参道に並べられた切り絵灯籠は市民らがデザインしたさまざまな切り絵が光に浮かび上がり、道行く人たちが一つ一つ観賞していました。仲見世では豚汁やおやきなどを屋台で販売。旅館が特製の懐石膳を用意し、訪れた人たちの足をとめていました。13日には写真館が先着20人のカップルの無料撮影なども予定しています。土産物店の店主(59)は「せっかくのイベントなので、松本や真田一族ゆかりの長野市松代町などのイベントも併行して展開すれば外国人観光客なども回遊してくれるかもしれませんね。ひと工夫してもらうともっとにぎやかになりそう」と期待していました。 長野灯明まつりは、1998年の長野冬季五輪をきっかけにその後始まり今年で13回目。五輪の平和を求める精神を伝えていくのが目的です。開催期間中毎晩ライトアップや灯籠の展示をするほか、宿坊での茶会などもあります。善光寺参道の中央通り沿いにあるトイーゴ広場では12日午後6時から9時まで「ゆめステージ」としてコンサートも予定しています。 (高越良一/ライター)