キャセイ、A350エンジンに不具合 全機点検で日本含む欠航も
キャセイパシフィック航空(CPA/CX)は現地時間9月2日、エアバスA350型機の検査を始めたと発表した。エンジン部品の不具合が判明したことで、保有する全48機が対象となる。この影響で4日までに24往復48便の欠航が決まっており、一部の日本路線にも影響が出る。 【写真】キャセイのA350-1000コックピットやビジネスクラス エンジン部品の不具合は、同日未明に運航した香港発チューリッヒ行きCX383便(A350-1000、登録記号B-LXI)で発生。航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」などによると、同便は2日午前0時7分に香港を出発したものの、1時間33分後の午前1時40分に香港へ戻った。同便は別の機体(A350-1000、B-LXR)に変更して香港を午前4時58分に出発し、定刻から5時間以上遅れの同日午前11時36分にチューリッヒへ到着した。 今回の引き返しを受け、機体を製造するエアバスと、エンジンTrent XWB(トレントXWB)を製造する英ロールス・ロイス、規制当局へトラブルを報告し、48機あるA350の機材全体の検査を自主的に開始。対象は標準型のA350-900が30機、長胴型のA350-1000が18機で、キャセイによると、今回のような不具合が発生した世界初の事例だという。検査は予防措置で、交換が必要な同じエンジン部品が特定でき、現在修理を進めている。 A350の全機検査を受け、2日から4日までに48便を欠航する。2日は4便、3日は32便、4日は12便が対象で、香港発着の成田、関西、シドニー、バンコク、シンガポール、台北の各路線で欠航が生じる。 同型機を運航する日本航空(JAL/JL、9201)によると、3日時点でA350の運航に影響は出ていないといい、引き続き状況を精査していくという(関連記事)。
Yusuke KOHASE