問われるオリックス金子、FAの狙いの是非
オリックスの金子千尋(31)が11日、国内FA権を行使する意向を球団に伝えた。この日がFA申請書類の提出期限だったため、12日にも公示され、13日から他球団との交渉が解禁となる。 金子は、行使理由として「すべての可能性を考えていきたいということで、こういう形になりました」とだけ語ったが、彼の言う“すべての可能性”とは何なのか。そして、いったい、彼のFA宣言の目的は何なのか? 考えられる可能性を列挙してみると、以下の3つだ。 1.他球団移籍を目的としたFA宣言。 2.オリックス残留を念頭においたFA宣言。 3.オリックスにポスティングを決意させるためのFA宣言。 実は、金子のFA獲得に関しては、ここまで阪神、巨人、中日、ソフトバンクら複数球団が調査をしてきたが、国内移籍に興味を示す空気は伝わってこず、各球団は早々と金子獲りから徹底していたという経緯がある。そう考えると1.は考えにくい。また2.のケースでは、通常、上限のない再契約金が支払われるため、年俸闘争とリンクさせてFA行使を行う選手が少なくないが、金子の場合は、オリックスが大型の複数年契約を提示しているため、この目的も考えられない。 となると有力なのは3.の可能性だ。 金子が、ここまでFA宣言に関心を示さなかった理由のひとつとして、本命はメジャー移籍でポスティングによる移籍が認めるだろうという核心のようなものがあっただろう。シーズン終了後、すぐにワールドシリーズ視察のために渡米するなどメジャー移籍への強い思いも行動に移した。 しかし、ここにきてオリックスは金子のポスティングを容認しないという強い姿勢を打ち出すようになった。オリックスという球団は、宮内オーナーのトップダウンで重要事項の決まるチームだから、オーナーが厳命を出したのだと思われる。 しかし、もし金子が、FA宣言という強行手段をとればどうなるだろう。