【フェブラリーS】本命不在で大混戦 注目は芝GⅠ馬シャンパンカラーと同舞台2勝のウィルソンテソーロ
前哨戦は機能せず
出走可能ラインより上にいる4歳勢はシャンパンカラー、ドゥラエレーデ、ミックファイアの3頭。芝の東京マイルGⅠ馬、芝GⅠ馬でチャンピオンズCと東京大賞典の3着馬、南関東三冠馬と実績はそん色ない。問題は東京ダート1600mへの適性にかかっている。 データでは前走地方は【0-4-2-38】複勝率13.6%と未勝利。だが、今年は有力馬がこぞってここに該当する。内訳は東京大賞典【0-1-2-13】複勝率18.8%、JBCスプリント【0-1-0-2】複勝率33.3%だ。 東京大賞典組で馬券圏内にきた3頭は前走7、2、3着とバラバラ。インカンテーション、ゴールドドリーム、メイショウハリオの3頭だ。このうち、インカンテーションとゴールドドリームは東京ダートで重賞勝ちがあった。残るメイショウハリオは前年の帝王賞を勝っていた。今年の4頭のうち、ダートGⅠ(JpnⅠ)タイトルを持っているのがキングズソードとミックファイア。ウィルソンテソーロ。ドゥラエレーデは東京ダート重賞未出走だ。ただし、ウィルソンテソーロは条件戦ながら同舞台2勝。適性はある。 JBCスプリントからの直行は23年レッドルゼルが前走4着から2着に巻き返した。イグナイターはJBCスプリント覇者で実績は文句なし。マイルはマイルCS南部杯2着がある。盛岡で1:35.8ならスピードで通用してもいい。当時レモンポップとは2秒差。これを今回のメンバーでどう評価するか。エスポワールシチー産駒はこのコース【8-8-12-89】で3着が多い点はポイントだろう。ただし距離延長は【0-1-0-23】だ。 前走根岸Sは1着【4-1-1-3】を欠き、今年はかなり分が悪い。3着以下は【0-0-0-42】と全滅だ。同じく前走東海Sも1着【2-0-1-4】がいない。2着オメガギネスは除外対象で、6着ペプチドナイルが当てはまる4着以下は【0-0-0-7】と全滅だ。 ほか、レッドルゼル、ドンフランキーは距離面に課題が残る。であれば、例年だと嫌いたい芝からの転戦馬も今年に限っては軽く扱えない。特にシャンパンカラーのNHKマイルCは稍重馬場で1:33.8と時計を要した。芝とダートが違うのは承知も、親和性を感じる。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳