【動画】夏春連続の胴上げ投手へ 仙台育英・高橋煌稀「打者の読みを外す」 センバツ注目選手
◇第95回記念選抜高校野球大会(3月18日開幕、阪神甲子園球場) 仙台育英(宮城)の高橋煌稀(こうき)投手(3年)は昨夏、東北勢初となる甲子園優勝の瞬間をマウンドで迎えた。この大会で先発2試合を含む4試合、計12回を投げ、わずか1失点。決勝は抑えを務め、大歓声を浴びた。夏の聖地は「楽しくて仕方がなかった」。 最速146キロの直球に4種の変化球を交える。昨夏までは先発が中心だったが、須江航監督(39)から「厳しい場面を任せたい」と告げられ、新チームでの主な役割は救援となった。 元々は直球主体で押し、徐々にリズムをつかむ投球スタイルだった。しかし、救援を任されたことで、変化球の精度を磨き、相手打者の「読みを外す投球」にシフトした。急な登板でも投手有利のカウントを作りやすくなり、自身の調子に左右されにくくなった。今では「後ろで投げる方が好き。抑えた時の爽快感が最高」という。 宮城県登米市出身。座右の銘は「他喜力」で、他者を喜ばせると自身に幸運が訪れると信じる。冬場はウエートトレーニングで下半身を鍛え、「上半身だけの投球」を改善した。体重は秋から4キロ増え、練習後の疲労軽減や投球の安定感向上にもつながった。 「夏から一段階レベルアップした姿を見せたい」。春も優勝のマウンドに立ち、東北の人々を再び喜ばせる。【森野俊】