パナマ大統領選、中道右派のムリノ氏勝利 米国移民問題に影響か
中米パナマで5日、コルティソ大統領の任期満了に伴う大統領選があり、中道右派のホセ・ラウル・ムリノ元外相(64)が当選を確実にした。地元メディアが報じた。 【写真で見る】手作業で製造される伝統的なパナマ帽 ムリノ氏は選挙戦で、南米コロンビアとの国境地帯にあるジャングル「ダリエン地峡」の封鎖を訴えていた。この地峡は南米から米国に向かう移民の主要ルートの一つで、AP通信によると、昨年は約50万人が通過した。封鎖されれば、移民の流れに影響が出る可能性がある。 大統領選には8人が立候補した。地元メディアによると、開票率93・43%の時点でムリノ氏の得票率は34・4%で、対立候補を引き離した。 パナマでは物価の上昇に対する国民の不満が強まっており、大統領選の主な争点は経済対策だった。ムリノ氏は当初、2009~14年に大統領を務め、経済政策に定評があるマルティネリ氏の副大統領候補だった。だが、マルティネリ氏がマネーロンダリング(資金洗浄)で有罪判決が確定し、立候補資格を失ったため、繰り上がる形で候補者となった。 ムリノ氏は7月1日に大統領に就任する。任期は5年。【ニューヨーク中村聡也】