三連休に訪れたい!麻布台ヒルズギャラリー「オラファー・エリアソン展」を市川紗椰がご案内
『想像力を擁する砂漠』からのドローイング。ドーハの砂漠で、レンズを通した日光の熱、風の動きに連動する筆などで制作。「土地の肖像画」というオラファーの表現が素敵
トビラの奥で聞いてみた
展示室のトビラの奥で、教えてくれたのは…森美術館アソシエイト・キュレーター 德山拓一さん 市川 『相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』……長くて詩的なタイトルですね。 德山 はい、これは麻布台ヒルズの開業に合わせて制作されたパブリックアートのタイトルでもあります。この作品をより深く理解してもらうため、オラファーが制作を通じて参照した過去の作品や最新作を展示しました。 市川 パブリックアートに用いられた11面体のブロックは、空気中の亜鉛を再生した素材でできた特殊な多面体とか。よくわからないけれどすごいですね(笑)。 德山 はい(笑)。もともと彼は自然界の現象を独自の感性で捉え、それを解釈するのに、物理、光学、幾何学などの科学的要素を用いるアーティスト。けれども観客には直感的に理解してほしいという、通底する特徴があります。 市川 確かに、作品自体を見ると、普遍的な面白さや美しさが伝わってきます。 德山 詳しい作品解説のパネルを準備したのですが「会場内に掲出してくれるな」と言われてしまいました。環境をテーマにした作品などから、まじめで堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、本人は自由で、少年のように新しいことを常にやっている人。人間味があふれていて、親近感がもてるんです。 市川 ドローイングマシンなどを触れて体験することで、親しみがわきますね。 德山 併設のカフェでは、ベルリンの彼のスタジオの「社食」のメニューも再現しています。麻布台ヒルズを散策しながら、オラファーの世界を感じてください。
訪れたのは…麻布台ヒルズギャラリー
麻布台ヒルズ森JPタワーのオフィスエントランスに恒久展示されるパブリックアート 『相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』2023年 展示風景:麻布台ヒルズ森JPタワー オフィスロビー 撮影:木奥 恵三